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受注率を上げる8つの方法|商談プロセス別に原因と対策を解説

Kazuumi NishijimaKazuumi Nishijima|2026-09-08公開

受注率を上げる8つの方法|商談プロセス別に原因と対策を解説

商談の数は確保できているのに、受注につながらない。そんな課題を抱える営業マネージャー・営業企画の方に向けた記事です。受注率が伸びない原因は営業担当者のスキルだけでなく、案件の選び方や商談前の情報提供、チームの仕組みに潜んでいるケースが少なくありません。原因を切り分けないまま施策を打っても、成果には結びつきにくいものです。

この記事では、受注率が低くなる5つの原因を整理したうえで、受注率を上げる8つの方法を商談前・商談中・商談後のプロセス別に解説します。個人の努力に頼らずチーム全体で受注率を底上げする仕組みと、受注率が約3倍になった企業事例もあわせて紹介します。

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この記事の内容
  1. 受注率とは?計算方法と目安
  2. 受注率が低い5つの原因
  3. 商談プロセス別|受注率を上げる8つの方法
  4. チームで受注率を底上げする3つの仕組み
  5. 商談前の情報提供で受注率を高めた2つの事例
  6. まとめ
  7. 受注率向上に関するよくある質問

受注率とは?計算方法と目安

はじめに、受注率の計算方法と数値の見方を確認します。すでに運用している方は、分母の定義だけ確認して次章へ進んでください。

受注率の計算式

受注率は、商談のうちどれだけが受注に至ったかを示す指標です。

受注率(%)= 受注件数 ÷ 商談件数 × 100

月に20件の商談を行い5件受注した場合、受注率は25%です。注意したいのは分母の取り方で、「商談件数」とする場合と「引き合い・リード件数」とする場合では数値が大きく変わります。社内やチーム間で分母がバラバラだと比較や改善の議論が成り立たないため、まず定義を統一してから計測を始めてください。

なお、商談の定義があいまいな場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
商談とは?営業・打ち合わせとの違い、基本の流れ、成功のポイントをわかりやすく解説

受注率の目安

「平均◯%なら安心」という一律の基準はありません。業界・商材単価・リードの獲得経路・分母の定義によって水準が大きく異なるためです。他社平均より比較する意味があるのは、自社の時系列の推移と、チーム内の担当者間の差の2つです。全体の受注率が下がっていないか、特定の担当者だけ極端に低くないかを見れば、改善すべき箇所を特定できます。

成約率・案件化率との違い

似た指標との違いは、測っている「工程」の違いで整理できます。

指標 測る工程 計算式の例
案件化率 リード → 商談 商談化した件数 ÷ リード件数
受注率 商談 → 受注 受注件数 ÷ 商談件数
成約率 受注率とほぼ同義で使われることが多い(企業により定義が異なる) 成約件数 ÷ 商談件数

案件化率が高く受注率が低いなら商談の質、逆なら商談前の集客・絞り込みに課題がある、というように、セットで見ると詰まっている工程を特定できます。

受注率が低い5つの原因

打ち手の前に、まず原因の切り分けが必要です。受注率が低くなる原因は「案件の質」「提案の質」「チームの仕組み」の3層に大別でき、代表的なのは次の5つです。

1. 受注確度の低い案件に時間を割いている

すべての商談に同じ工数をかけていると、本来受注できるはずの案件への準備が手薄になります。受注確度の基準がなく、担当者の感覚で案件を追っているチームで起こりやすい状態です。そもそもターゲットから外れた相手と商談している場合、どれだけ提案を磨いても受注には至りません。分母に「勝ち目のない商談」が積み上がり、受注率を押し下げます。

2. BANT条件を確認できていない

BANT条件とは、Budget(予算)・Authority(決裁権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期)の4つを指します。この確認が漏れると、予算のない相手に提案を続けたり、決裁権のない担当者とだけ話が進んだりと、受注に直結しない商談が増えます。特に多いのが決裁権の見落としです。担当者の反応が良くても、決裁者に価値が伝わらなければ稟議は通りません。

3. 顧客の課題に合わせた提案ができていない

どの顧客にも同じ資料・同じ説明で臨むと、提案が「機能の紹介」で終わります。顧客が知りたいのは機能の一覧ではなく、自社の課題がどう解決されるかです。ヒアリングした課題と提案内容がつながっていない商談は、比較検討の土俵で価格勝負に持ち込まれやすくなります。

4. 営業担当者によって説明の質がバラついている

同じ商材を扱っていても、担当者によって受注率に大きな差が出ることがあります。トップ営業の説明の流れや訴求の順番が共有されておらず、各自が我流で説明している、いわゆる営業の属人化です。説明の質のバラつきは個人の問題ではなく、チームとして受注率を不安定にする構造的な原因です。

5. 失注原因を分析できていない

失注した理由が記録されていないと、同じ負け方を繰り返します。「価格で負けたのか」「時期が合わなかったのか」「競合に機能で劣ったのか」が分からないままでは、改善のしようがありません。失注は営業活動の中で最も情報量の多い学習材料です。ここを捨てているチームは、受注率が上がらない原因の特定にも時間がかかります。

商談プロセス別|受注率を上げる8つの方法

受注率を上げる方法を、商談前・商談中・商談後・全体の4つに分けて紹介します。前章で特定した自社の弱い工程から着手してください。

1. 商談前|案件に優先順位をつける

「A:今期中に受注見込み」「B:課題は明確だが時期未定」のように、受注確度の基準をチームで統一し、案件ごとにランクをつけます。基準が揃うと、注力すべき案件と、メールや自動化ツールでのフォローに回す案件を切り分けられます。限られた営業リソースを確度の高い案件に集中させることが、分母の質を高め、受注率の改善に直結します。

2. 商談前|顧客のサービス理解度を高めておく

商談の質は、商談が始まる前にある程度決まっています。顧客がサービスをほとんど理解していない状態では、初回商談の大半が基本説明に費やされ、課題のヒアリングまで到達できません。資料を送っても、読まれたかどうかは分からないのが実情です。

そこで有効なのが、商談前に動画などで理解度を揃えておくアプローチです。Video Agent「TALKsmith」は、営業資料やプレゼン資料をもとに、AIが説明やプレゼンテーションを24時間自動で行うサービスです。視聴者の質問や興味に応じて最適な情報を案内し、視聴データや回答内容もリアルタイムで取得できるため、「誰が・どこに関心を持ったか」を把握したうえで商談に臨めます。

初回商談を課題ヒアリングから始められる状態を作れれば、同じ商談数でも受注率は変わってきます。

TALKsmithについて詳しく知りたい方は、以下のサービス資料をご覧ください。
TALKsmithが3分でわかるサービス資料をみる

商談前のアプローチ全般については、以下の記事で詳しく解説しています。
商談前のアプローチが受注率を左右する!アポの質を劇的に高める「視聴データ」活用のススメ

3. 商談前|BANT条件をヒアリング項目に組み込む

BANT条件は商談の場で聞き出すものと思われがちですが、事前に把握できるほど商談の精度は上がります。商談前のアンケートフォームや日程調整時の設問に「検討時期」「決裁フロー」を組み込めば、確度判定を商談前に済ませられます。事前に決裁権の所在が分かっていれば、初回から決裁者の同席を依頼する、決裁者向けの資料を用意するといった対策も打てます。

4. 商談中|課題解決の手段として自社サービスを提案する

商談の冒頭はヒアリングに徹し、顧客の課題を言語化してから、その解決手段として自社サービスを提示します。順番を逆にして機能説明から入ると、顧客は自社との接点を見つけられません。「この機能で御社の◯◯という業務が△△に変わる」というBefore → Afterの形で語れると、提案は課題解決の文脈に乗ります。

5. 商談中|価格・スケジュール・次のアクションを明確に提示する

見積もりや導入スケジュールを曖昧にしたまま商談を終えると、検討が前に進みません。「次に誰が・何を・いつまでに行うのか」を商談の最後に必ず合意します。宿題を持ち帰る場合も、回答期日をその場で約束するだけで案件の停滞を防げます。即答できない価格の質問には、概算レンジと正式見積もりの提示日をセットで答えるのが現実的です。

6. 商談後|検討状況に合わせたフォローを行う

商談後のフォローが全顧客一律のメールになっていないでしょうか。検討フェーズや商談で示した関心に応じて、稟議用の比較資料を送る、決裁者向けの説明機会を提案するなど、フォローの内容を変えます。商談で盛り上がったのに連絡が途絶える案件の多くは、フォローが顧客の社内検討を支援できていないことに原因があります。

7. 商談後|失注理由を記録し敗因を分析する

失注時は「価格」「機能」「時期」「競合」「その他」のようにカテゴリを決めて理由を記録します。記録が貯まると、失注の傾向から打ち手が見えてきます。価格失注が多いならターゲット選定や価値訴求、時期失注が多いならフォロー体制の問題、という具合です。

可能であれば、失注顧客に理由を直接ヒアリングするのが理想です。社内の推測より正確な敗因が得られます。

8. 全体|SFA・CRMで商談データを可視化する

ここまでの施策を回すには、案件の状況・受注確度・失注理由といったデータの蓄積が前提になります。SFAやCRMを使えば、案件の停滞や担当者別の受注率を可視化でき、感覚ではなくデータで改善点を議論できます。

ツールの選び方は、以下の記事を参考にしてください。
【2026】SFA(営業支援)ツール比較10選|自社に合う選び方とおすすめ一覧

チームで受注率を底上げする3つの仕組み

前章の8つの方法を個人の努力で終わらせないために、チームの仕組みとして定着させる方法を3つ紹介します。担当者間の受注率の差が大きいチームほど、効果が出やすい領域です。

1. 営業プロセスと受注確度の基準を標準化する

ヒアリング項目・提案の流れ・受注確度の判定基準を標準化し、誰が担当しても一定水準の商談ができる状態を作ります。標準化はトップ営業のやり方を制約するものではなく、チームの下限を引き上げるための土台です。

具体的な進め方は、以下の記事で解説しています。
営業プロセスの標準化とは?具体的な進め方5ステップと成功のポイントを解説

2. トップ営業の説明品質を全員が再現できる状態にする

受注率の高い担当者の説明には、話す順番・強調するポイント・切り返しに再現可能なパターンがあります。トークの録画やスクリプト化で「型」として共有すれば、経験の浅いメンバーもトップ営業の説明品質に近づけます。

説明そのものを動画やAIによるプレゼンに置き換え、品質を均一化する方法もあります。人による説明のバラつきをなくすアプローチは、以下の記事も参考になります。
営業の属人化とは?原因・リスクと7つの解消方法|営業プロセスを標準化する実践ガイド

3. 失注分析をチームのナレッジとして蓄積する

方法7で記録した失注理由を、個人の反省で終わらせず月次でチーム共有します。「この業界のこの規模には刺さらない」「この競合と当たったときはこの訴求で勝てた」という知見は、個人ではなくチームに蓄積されてはじめて受注率の底上げにつながります。共有の場は長い会議である必要はなく、週次ミーティングの10分でも継続すれば十分に機能します。

商談前の情報提供で受注率を高めた2つの事例

「商談前に顧客の理解とニーズ把握を進める」という打ち手が受注率にどう効くのか、TALKsmithの導入事例を2つ紹介します。

1. 初回商談からの転換率ほぼ100%・受注率約3倍

営業支援を手がける株式会社soraプロジェクトは、無形商材ゆえに説明へ時間がかかり、問い合わせの増加に営業リソースが追いつかない課題を抱えていました。

そこで初回商談後や展示会後のフォローにTALKsmithを導入し、顧客ごとに最適化したプレゼン動画を配信。顧客が自分のペースで理解を深められる状態を作った結果、初回商談からセカンド商談への転換率はほぼ100%、受注率は導入前と比べ約3倍になりました。年間1万件を超えるリードにも少人数で対応できています。

参考:受注率が3倍に!初回商談後の“AIプレゼンVideoのひと押し”で、営業が変わる——soraプロジェクトの実践ノウハウとは

2. 事前のニーズ把握で受注率が向上・成約リードタイム約1/2

SaaSを開発・運用する株式会社アイアットOECは、メール配信が一方通行で顧客の関心度合いを測れないことが課題でした。

Video Agentの視聴データや回答内容から「どの機能に興味があるか」「どんな課題を抱えているか」を可視化し、営業・CSチームで共有してパーソナライズした提案を実施。事前にニーズを把握して商談の質が高まったことで受注率が向上し、案件数はメール配信との比較で2倍、通常1か月半かかる成約までの期間が、動画視聴後は約2週間で受注に至るケースもあり、リードタイムはおよそ半分になっています。

参考:TALKsmith導入でアップセル創出数が2倍に成約リードタイムも1/2へ

まとめ

受注率を上げる第一歩は、施策の前に原因を切り分けることです。案件の質・提案の質・チームの仕組みのどこに問題があるかで、打つべき手は変わります。そのうえで、商談前・商談中・商談後のプロセス別に8つの方法を紹介しました。

中でも見落とされやすいのが、商談が始まる前の工程です。受注確度の基準づくりや商談前の情報提供は、商談スキルに関係なくチーム全体の受注率を押し上げます。soraプロジェクトの受注率約3倍という成果も、次の商談の前に顧客の理解度を高めた結果でした。

個人の頑張りに頼らず、仕組みとして受注率を底上げしたい方は、まず自社の商談プロセスのどこが弱いかを特定するところから始めてください。

初回商談を「対話」から始める。
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CRO/西嶋 一海

Kazuumi Nishijima

2012年に(株)イノベーションに入社、自社メディアであるITトレンドをはじめ、BtoB領域のマーケティング支援ビジネスの営業責任者を歴任。 2017年に(株)セールスフォース・ジャパンへ入社し7年間在籍。プレイヤーとしてはSMB領域で複数年の年間予算達成をへて、同SMB領域の営業責任者及び、金融アライアンスビジネスの営業責任者を歴任。 2024年に(株)LOOVへ参画。

受注率向上に関するよくある質問

Q1. 受注率はどこまで上げれば十分ですか?

一律のゴールはありません。売上目標から逆算するのが実務的です。「目標売上 ÷ 平均受注単価 = 必要受注件数」を出し、現在の商談数で割れば、必要な受注率が算出できます。その数値と現状の差が、埋めるべきギャップです。あわせて担当者間の受注率の差を縮めることを当面の目標にすると、チーム全体の数値が安定します。

Q2. 商談数と受注率、どちらの改善を優先すべきですか?

営業リソースに余裕がなく商談をこなしきれていないなら、受注率(商談の質)が先です。商談数を増やすと確度の低い案件も増え、かえって受注率が下がる場合があります。逆に商談の供給自体が細っているなら、案件化率や集客の改善が優先です。受注率・案件化率をセットで見て、詰まっている工程から着手してください。

Q3. 少人数の営業チームでも仕組み化はできますか?

できます。むしろ少人数ほど1人の離脱や不調が数字に直結するため、仕組み化の効果は大きくなります。最初からすべてに取り組む必要はなく、失注理由の記録と説明コンテンツの共通化の2つから始めるのが現実的です。人手が足りない部分は、説明業務を自動化するツールやSFAで補えます。

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