採用サイトのコンテンツ12選|必須項目・差別化要素と優先順位の決め方
|2025-08-21公開|2026-10-03更新
採用サイトのコンテンツとは、求職者が応募を判断するために必要な情報を、自社のサイト上でまとめたページのことです。募集要項や仕事内容のような必ず載せる項目と、社員インタビューやキャリアパスのように他社との違いを伝える項目に分かれます。
- 求人媒体には出しているが、自社サイトに何を載せればよいか決まっていない
- ページは一通りそろえたのに、応募数が変わらない
- 社員インタビューを載せたいが、撮影も執筆も手が回らない
- 情報を足すほどページが増えて、どこから直せばよいか分からなくなった
採用サイトのコンテンツづくりでは、こうしたお悩みをよく聞きます。
本記事では、採用サイトに載せる必須コンテンツ6つと差別化コンテンツ6つの中身、作る前に決めておくこと、優先順位の決め方、対象別の作り分け、公開後の改善方法、制作でつまずきやすい点、費用と期間の目安、事例、見直し用のチェックリストまでを解説します。
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- 載せたい情報が多すぎて、求職者がどこを読めばよいか分からないページになっている
- 新卒と中途で知りたいことが違うのに、同じページを読んでもらっている
- 説明会や面接で同じ会社説明を何度も繰り返している
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採用サイトの必須コンテンツ6選
求職者が応募を判断するまでに、必ず確認する情報があります。この6つがそろって初めて、求職者は応募するかどうかを判断できます。ここが欠けたまま他のページを作り込んでも、応募の手前で迷わせることになります。
四年制大学を卒業した新卒・第二新卒(21〜25歳)200名に聞いた調査では、企業の採用サイトを応募前に必ず確認すると答えた人が87.0%、確認しないと答えた人が13.0%でした。若手層に限った調査のため中途採用の候補者にそのまま当てはめることはできませんが、求人媒体の情報だけで応募を決めているわけではない、という前提で自社サイトを見直す価値はあります。
参照:20代(21歳〜25歳)の87%が「採用サイト」を応募前に必ず確認。新卒・第二新卒が求める、“企業のリアルな姿”
1. 会社概要・理念・代表メッセージ

会社概要は、事業内容・設立年・従業員数・所在地・沿革(年表レベル)といった基本情報をまとめたページです。求職者は「知らない会社ではないか」「規模は自分に合うか」を最初にここで確認します。
理念のページでは、会社が何を目指しているかを書きます。ここで多いのが、抽象的な言葉だけが並んで読み手に何も残らないケースです。理念を掲げるなら、その理念が日々の意思決定にどう表れているかを1つでも具体例で示してください。
代表メッセージは、理念のページの中に置くか、独立したページにします。内容は経歴の紹介ではなく、これから会社をどこへ持っていきたいか、そのために誰と働きたいかを一人称で書きます。求職者にとっては、経営者がどこを向いているかが入社後の環境を左右するため、読まれる頻度の高いコンテンツです。
2. 募集要項

募集要項は、職種ごとに雇用形態・給与・勤務地・勤務時間・休日休暇・福利厚生・応募資格を記載するページです。求人媒体に掲載している内容と同じで問題ありませんが、自社サイト側の情報が古いまま残っていると、求職者は「どちらが本当か」を判断できません。媒体の内容を更新したら自社サイトも直す運用を、公開前に決めておきます。
給与は、可能な範囲で幅と決まり方まで書きます。金額の幅だけを示して決定方法を書かないと、下限で提示されるのではないかという不安が残ります。決まり方として書けるのは、何を見て金額を決めるのか(前職の給与を参照するのか、自社の等級に当てはめるのか)、提示額に固定残業代や賞与が含まれるのか、改定は年に何回あるのか、の3点です。
3. 仕事内容

仕事内容は、入社後に何をするかを具体的に書くページです。職種名と一般的な業務の羅列にとどめず、1日のうちどの業務にどれくらいの時間を使うか、誰と一緒に働くか、どこまでを裁量として任せるかまで書きます。
求職者が知りたいのは業務の一覧ではなく、自分がその仕事をしている姿を想像できるかどうかです。配属予定の部署の人数、使うツール、担当する顧客の規模など、具体的な条件があるほど判断材料になります。入社後のギャップを減らす意味でも、任される範囲と任されない範囲の両方を書いておくと誠実に伝わります。
上で触れた調査で、求人票や採用サイトの情報が不足していると感じる項目を聞いた結果では、「実際の仕事内容の詳細」が55.0%で最も多く、「配属先や上司の雰囲気」と「残業時間」が各44.0%と続いていました。業務の一覧しか書かれていない仕事内容のページは、求職者が求める情報量に届いていない可能性があります。
4. 求める人物像

求める人物像は、どういう経験や志向の人に来てほしいかを示すページです。「主体性がある人」「チャレンジ精神のある人」のように、どの会社にも当てはまる言葉だけが並ぶと、求職者は自分が該当するかを判断できません。
書き方としては、自社で成果を出している人に共通する行動を洗い出し、その行動が必要になる理由を添えます。「前例のない領域が多いため、答えがない状態でも自分で仮説を立てて動ける人」のように、事業の状況と人物像を結び付けると、読み手は自分に当てはまるかを判断できます。
5. 選考フロー
選考フローは、応募から内定までの流れと、それぞれの段階で何を見るか、全体でどれくらいの期間がかかるかを示すページです。在職中の求職者にとって、選考にかかる期間は応募を決めるうえで重要な情報です。
各段階で誰が面接に出るかも書きます。現場の担当者と会えるのか、何回目で役員が出てくるのかが分かると、求職者は準備ができます。カジュアル面談を設けている場合は、それが選考に含まれるのかどうかを明記してください。ここが曖昧だと、気軽に話を聞きたい層が応募をためらいます。
参考:カジュアル面談とは?面接との違いから不安を解消する準備や質問例まで解説
6. よくある質問(FAQ)
FAQは、求職者から実際に多い質問と回答をまとめたページです。転勤の有無、リモートワークの可否、未経験からの応募可否、選考の再応募など、面接で毎回聞かれる質問がそのまま素材になります。採用担当者が過去の面接で受けた質問を書き出し、頻度の高いものから並べます。
LOOV社でも採用に関わるご担当者様とお話しする中で、「説明会や面接で毎回同じ質問を受ける」という声を多く伺います。面接で繰り返し聞かれる質問は、サイト上で答えが見つからなかった項目だと考えられます。
転勤の可能性や残業時間のように、書きにくい質問ほど必ず載せてください。書き方は、事実を先に置き、そうなっている背景と例外の条件を添える形にします。
比較検討で選ばれる差別化コンテンツ6選
必須コンテンツは、どの会社の採用サイトにもあります。求職者が複数社を比較する段階で効いてくるのは、次の6つです。
1. 社員インタビュー
社員インタビューは、実際に働いている人に仕事内容・入社理由・やりがい・大変なことを聞いて掲載するコンテンツです。会社名義の説明よりも、そこで働く個人の言葉のほうが実感を持って読まれやすくなります。
質問は、入社前に何を不安に思っていたか、実際に入ってどうだったかを必ず入れます。苦労した経験とそれをどう乗り越えたかをセットで載せると、読み手は自分が同じ場面に立ったときを想像しながら読めます。
参考:社員インタビュー動画の事例5選|作り方から質問例・制作のポイントまでわかりやすく解説
2. オフィス・働く環境
働く場所の写真と説明は、求職者が日常を想像するための材料になります。執務スペースだけでなく、打ち合わせの様子、休憩スペース、実際に使っている機材まで見せると具体性が出ます。リモートワーク中心の会社でも、このコンテンツは必要です。出社頻度、オンラインでのやり取りの方法、チーム内のコミュニケーションの取り方について書きます。
3. キャリアパス・評価制度
キャリアパスは、入社後にどういう役割の広がり方があるかを示すコンテンツです。等級や役職の階段を並べるだけでなく、実在の社員がどういう順番で役割を変えてきたかを例示すると伝わります。
評価制度では、何を評価するか、いつ評価されるか、評価がどう処遇に反映されるか、誰が評価するかの4点を書きます。等級定義や評価シートの細部まで公開する必要はありませんが、この4点がそろっていれば入社後の見通しが立てやすくなります。
4. 福利厚生・社内制度
社会保険などの法定の福利厚生や各種手当は募集要項に書き、ここでは自社独自の制度を紹介します。自社ならではの制度は「なぜその制度があるのか」まで書くと意味が伝わります。制度は、利用実績とセットで出すと信頼されます。育児休業の制度があることより、直近で何人が取得し、どれくらいの期間で復帰しているかのほうが、求職者には意味を持ちます。
5. 先輩社員の1日のスケジュール
1日のスケジュールは、朝の始業から終業までを時系列で示すコンテンツです。社員インタビューが「なぜこの会社で働くか」を伝えるのに対し、こちらは「どう1日が過ぎるか」を伝えます。
会議の数、顧客と会う時間、一人で作業する時間の配分が分かると、求職者は自分の働き方と比べられます。複数の職種で用意すると、職種ごとの違いも見えます。繁忙期と通常期で大きく変わる仕事であれば、どちらのパターンかを明記してください。
6. 動画コンテンツ
動画は、文章と写真では伝わりにくい雰囲気や人柄を届けられるコンテンツです。会社紹介、事業説明、オフィスツアーなど、内容が変わりにくいページを動画に置き換える形から始められます。
一方で、動画は一度作ると差し替えにくく、制作費と社内工数もかかります。社員インタビューや代表メッセージは、出演した人が退職・交代すると撮り直しが必要になるため、運用体制が整ってから動画にしたほうが、撮り直しの無駄が出ません。
採用サイトのコンテンツを作る前に決めておくべき2つのこと
ここでは、コンテンツを作り始める前に決めておくべき2つのことを見ていきましょう。
1. コンテンツを届けたい対象を決める
新卒と中途、営業とエンジニアでは、知りたい情報も、比較している他社も違います。1つのサイトで全員に応えようとすると、どの読み手にとっても情報が多すぎるページになります。決め方はシンプルで、今いちばん採用したい対象を1つ挙げ、その人に向けてトップページと仕事内容を書きます。他の対象には入口を分けて別ページを用意します。
2. 応募までの導線を決める
コンテンツを読んだ求職者が、次にどこへ進むかを先に決めます。応募フォームに直接進むのか、カジュアル面談の申し込みを挟むのか、採用情報のメール登録を挟むのかで、各ページに置くボタンの文言が変わります。すぐに応募する気がない層を取りこぼしたくない場合は、応募より手前の選択肢を1つ用意します。
作成するコンテンツの優先順位の決め方
12個すべてを一度に作れる会社はほとんどありません。どこから着手するかは、今どこで人が減っているかで決まります。
優先順位を決める質問
着手前に、次の3つに答えてください。
- 今の採用で困っているのは、応募数か、それとも選考途中の辞退やミスマッチか
- 求職者が自社を知る最初の接点はどこか(求人媒体、スカウト、リファラル、検索)
- 社員の協力なしで、採用担当者だけで作れる項目はどれか
最初の問いの答えが、着手するページを決めます。応募数が課題なら次の「応募が少ないときに優先するコンテンツ」、辞退やミスマッチが課題なら「ミスマッチが多いときに優先するコンテンツ」の順番で進めます。
次に、接点によってどの項目を厚く書くかが変わります。最初の接点がスカウトなら、候補者は会社をよく知らないまま訪れるので会社概要と事業の説明を厚くします。リファラルなら、紹介者から聞いた話を確かめに来るので、仕事内容と働く環境を厚くします。求人媒体経由なら、媒体のフォーマットに収まりきらない情報から書きます。
最後の問いは、いつ着手できるかを決めます。社員に時間を取ってもらいにくい時期なら、インタビューや1日のスケジュールは体制が整ってから着手し、募集要項や仕事内容のように採用担当者だけで書ける項目を先に進めます。
最初に作るべきコンテンツ
ゼロから立ち上げる場合は、必須コンテンツ6つのうち、社員の協力なしで採用担当者だけで先に公開できる募集要項・仕事内容・会社概要の3つから着手します。会社概要のうち代表メッセージだけは代表本人の言葉が要るため、時間が取れ次第足します。この3つがあれば、求人媒体やスカウトメールから自社サイトへ誘導したときに、候補者は仕事と会社の輪郭をつかめます。そのうえで、求める人物像・選考フロー・FAQを足して6つをそろえます。
応募が少ないときに優先するコンテンツ
これからコンテンツを作る段階で応募数が課題なら、仕事内容の具体化と求める人物像の言語化の2つを優先します。求職者は「自分にできる仕事か」「自分が応募してよいか」を判断できないと、条件が合っていても応募の手前で止まります。多くの場合はページの新設まで必要なく、既存ページへの書き足しで始められるため、最初の一手にしやすい項目です。
ミスマッチが多いときに優先するコンテンツ
内定辞退や早期離職が課題の場合は、入社後の実態を伝えるページを優先します。社員インタビュー、1日のスケジュール、評価制度の3つが該当します。
ミスマッチは、入社前に得た情報と入社後の実態がずれたときに起こります。良い面だけを並べたページは応募の段階では通りやすくなりますが、選考の後半か入社後にずれが表面化します。合わない可能性のある条件を先に開示するほうが、結果として辞退を減らせます。
参考:採用ミスマッチの原因と対策|早期離職を防ぎ「定着・活躍」を実現する全手法
後回しでよいコンテンツ
年表を超えた沿革のストーリー、受賞歴の一覧、社内イベントのレポート、数値だけのインフォグラフィックは、後回しで問題ありません。応募を決める材料になりにくく、更新の手間だけが残りやすい項目です。
ターゲット・職種別に書き分けるコンテンツのポイント
同じ項目でも、対象が変わると求職者が読みたい中身は変わります。この章では、対象ごとに何を厚く書くかを整理します。
新卒向け
新卒の候補者は、業界も職種も比較の軸をまだ持っていません。事業内容は「この業界で何が起きているか」から書き始め、専門用語にはその場で言い換えを添えます。
厚く書く項目は、入社後1年目の仕事、研修とOJTの内容、配属の決まり方の3つです。なかでも配属は不安が大きく、どの段階で何が決まるかが書かれていないと、説明会で毎回同じ質問を受けることになります。キャリアパスは10年後の姿より、3年目までの実例のほうが読まれます。
参考:【2026】新卒採用動画最新事例|Z世代を動かす制作のポイントと配信戦略ガイド
中途向け
中途の候補者は、自社の情報を現職と並べて読んでいます。比較の軸になるのは、入社後に任される範囲、評価と処遇の決まり方、意思決定の速さの3つです。
厚く書く項目は、この3つに加えて選考の進め方です。在職中の応募が多いため、平日夜や土日の面接に対応できるかは必ず明記します。あわせて、中途入社した社員が現在どの役割に就いているかを1例でも挙げると、入社後の姿を具体的に想像できます。
エンジニア向け
エンジニアの候補者は、自分の技術が活きる環境かどうかを見ています。判断の軸になるのは、技術スタック、開発の進め方、コードに触れられる範囲の3つです。
厚く書く項目は、使用言語やフレームワークの一覧だけで終わらせず、その先です。レビューの体制、リリースまでの流れ、技術選定を誰がどう決めるかまで書くと、候補者は自社との相性を測れます。技術ブログや登壇資料がある場合は、採用ページから必ずリンクしてください。実際に書かれたコードや発表内容は、説明文よりも開発の実態を具体的に伝えます。
参考:【2026】エンジニア採用の手法・サービス比較|候補者への情報発信の工夫
営業向け
営業の候補者が見るのは、扱う商材、担当する顧客の規模と業種、評価の仕組み、既存と新規の比率です。インセンティブの有無と、その計算の考え方も関心が高い項目です。
営業プロセスのどこを担当するかも書いてください。リードの獲得から受注後のフォローまで一人で担当するのか、分業なのかで、求める経験も働き方も変わります。ここを書かずに「法人営業」とだけ記載すると、想定と違う応募が集まる原因となります。
採用サイト公開後の効果を確認し、改善する方法
採用サイトは公開してからが本番です。どこで人が減っているかを把握できていないと、直す場所が分からないまま情報だけが増えていきます。
応募までの流れで見るべき数字
見るのは、採用サイトの訪問数、募集要項ページの閲覧数、応募フォームの表示数、応募完了数の4つです。この順に数字が減っていくので、どの段階で大きく落ちているかを探します。
訪問数は多いのに募集要項まで進んでいない場合、トップページから募集要項への導線に問題があります。募集要項は読まれているのに応募フォームの表示が少ない場合は、条件面で見送られている可能性があります。フォームを開いたのに完了しない場合は、入力項目の多さを疑います。
どこまで読まれたかを知る方法
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでページごとの滞在時間や、ページのどこまでスクロールされたかを計測できます。注意したいのは、滞在時間が長いことが必ずしも良い状態ではない点です。探している情報が見つからずに読み返している場合も、滞在時間は長くなります。滞在時間だけで判断せず、その後に応募フォームへ進んでいるかとあわせて見てください。
応募が増えないときに見直す箇所
公開後に応募が増えないときは、『応募までの流れで見るべき数字』で人が減っていた段階に合わせて、募集要項の条件面、仕事内容の具体性、応募フォームの入力項目数を確認します。
条件面は、同じ職種の他社の求人と並べて確認し、仕事内容は、社内の人が読んで分かるかではなく、業界を知らない人が読んで分かるかで判断します。応募フォームは、選考の初期段階で本当に必要な項目だけに絞ります。履歴書の添付を必須にしていると、まだ検討段階の候補者は手が止まりやすくなります。
参考:採用の歩留まりとは?原因と改善方法を整理する実践ガイド6施策
数字で測れないコンテンツを判断する方法
社員の声を載せたページや理念のページは、それ自体が応募に直結しているかを数字で切り分けにくいコンテンツです。この場合は、面接の場で候補者に「サイトのどこを読みましたか」「何が印象に残りましたか」を聞きます。面接ごとに1〜2問聞くだけでも、数か月分たまれば、どのページが読まれているかの傾向が見えてきます。
採用サイトのコンテンツ制作でつまずきやすい2つのこと
制作を進めると、多くの会社が同じ場所でつまずきます。事前に知っておくと、設計の段階で避けられます。
1. 作り込むほど更新が止まる
凝ったデザインや作り込んだページは、公開時の見栄えは良くなりますが、変更のたびに外部への依頼が必要になります。結果として、組織や制度が変わっても内容が古いまま残ります。
古い情報が残ったままの採用サイトは、候補者に「更新されていない会社」という印象を与えます。対策は、変わる情報と変わらない情報を分けて置くことです。理念や事業の考え方は作り込んでよく、組織図・在籍社員・制度の詳細は、自社で更新できる形にしておきます。公開前に「この項目は誰が何か月ごとに見直すか」を決めておくことが重要です。
2. 社員の協力が必要な項目は工数が読めない
インタビューや1日のスケジュールの記事は、現場の社員に時間を取ってもらう必要があります。ここが採用サイト制作で最も予定どおりに進まない部分です。
依頼から公開まで、日程調整・取材・原稿確認・本人と上長の承認という段階があり、それぞれで待ちが発生します。先に公開日を決めてから逆算します。日程が合わない人が出る前提で、取材を依頼する社員は予定より多めにしておきます。一方で、記事にする人数は絞って1本ずつ厚く作れば、原稿確認と承認の待ちが発生する箇所もその分だけ減らせます。
採用サイト制作にかかる費用と期間の目安
制作会社に依頼する場合の費用は、載せるコンテンツの数と、デザインをどこまで自社向けに作るかで決まります。公開されている相場の目安は次のとおりです。
| 費用の目安 | 作れる範囲 | 制作期間の目安 |
|---|---|---|
| 無料〜10万円以下 | 採用サイト構築サービスのテンプレートに、募集要項と会社概要を流し込む | 1週間〜1か月 |
| 10万〜50万円 | デザインを一部だけ自社に合わせる。原稿と写真は自社で用意する前提 | 2週間〜1.5か月 |
| 50万〜150万円 | オリジナルデザインで、取材を含むコンテンツまで作り込む | 1か月〜2か月 |
| 150万円以上 | 採用戦略の相談から入り、構成とコンテンツを一から設計 | 2か月〜4か月 |
参照:採用サイトの費用と料金相場を徹底解説【相場早見表・事例あり】
制作会社の比較サービスであるWeb幹事は、上の区分に加えて、採用サイト制作の平均費用相場を104.4万円、中央値を101.1万円と公開しています。価格帯の区切りは制作会社ごとに異なります。見積もりを受け取ったら、総額だけを見るのではなく、その中に何ページ分の制作と取材が含まれているかを確認してください。
- 見積もりに含まれない費用
-
制作会社に依頼する場合の見積もりに含まれない費用が2つあります。1つは自社で負担する工数です。事業内容や制度の説明、取材に応じる社員の時間、原稿の確認は、社内の仕事として残ります。もう1つは公開後の運用です。保守を制作会社に任せる場合は月額数万円からの保守契約が別に必要になることがあるため、初期費用だけで判断せず、1年間でいくらかかるかで比較してください。
予算が決まっている場合は、金額に合わせてコンテンツの質を落とすのではなく、発注を分ける形で調整します。募集要項・仕事内容・会社概要のように採用担当者だけで用意できる項目を先に発注し、取材が必要な差別化コンテンツを次の期に回せば、1回あたりの金額を抑えたまま、応募の判断に必要な情報がそろった状態を先に作れます。
採用サイトの構成事例3選
コンテンツの構成は、対象と目的によって変わります。実際に公開されている3社の採用サイトから、構成の考え方を見ていきます。
1. サイボウズ株式会社

サイボウズの採用ページは、最上部に「チームワークあふれる社会を創る」という理念を掲げ、その直下に募集要項とエントリーのブロックを置いています。キャリア採用・ポテンシャル採用・新卒採用の3区分と職種の一覧がここに並び、その後ろにテーマ別の入口が続く構成です。
理念を最初に見せたうえで、応募に必要な情報へすぐ進めるようにしている点が参考になります。理念のページを別階層に置くと読まれないまま終わりがちですが、応募導線と同じ画面に置けば、条件を見に来た候補者の目にも入ります。
2. 株式会社メルカリ

メルカリの採用サイトは、私たちについて・カルチャー・働き方・福利厚生・キャリアデザイン・よくある質問・募集中の職種・新卒採用という形で、知りたいテーマごとに入口が分かれています。
情報量が多い場合でも、テーマ別に入口を用意すれば、求職者は自分に必要なページへ直接進めます。カルチャー、働き方、キャリアデザインがそれぞれ独立している点は、必須項目をそろえたあとに差別化コンテンツをどう並べるかの例として参考にできます。
3. アソビュー株式会社

アソビューの採用ページは、「生きるに、遊びを。」というミッションを軸に構成されている点が特徴です。そのうえでエンジニアなど職種別のページを用意し、職種ごとに仕事内容と成長機会を伝えています。
会社全体の方向性を1つ示したうえで、各職種の実務は別ページに分ける形は、必須コンテンツをそろえたあとの厚みの付け方として参考にできます。求める人物像が職種ごとに大きく違う会社に向いた構成といえます。
- 番外|応募後の案内を動画に置き換えた事例
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一般労働者派遣事業などを手がける株式会社フィールドサーブジャパン様では、応募者への案内をVideo Agentに移し、電話がつながらないことによる離脱を減らした結果、応募から面接への移行率が約50%から約57%へ、約7ポイント改善しています。
サイトに載せる情報を考えるときは、応募後に候補者へ渡す情報まで含めて設計すると、途中の離脱を減らせます。
公開中の採用サイトを見直すチェックリスト12項目
すでに採用サイトがある場合は、次の項目を確認してください。当てはまらない項目が、次に手を入れる場所です。
| 確認する項目 | 見るポイント | 当てはまらないときの対応 |
|---|---|---|
| 募集要項が最新か | 求人媒体の掲載内容とずれていないか | 媒体更新時に自社サイトも直す担当を決める |
| 給与の決まり方が書かれているか | 金額の幅だけで終わっていないか | 決定方法の一文を追記する |
| 仕事内容が具体的か | 業界を知らない人が読んで想像できるか | 時間配分・関わる相手・裁量の範囲を追記する |
| 求める人物像が自社固有か | 他社に置き換えても成立する表現でないか | 活躍している社員の行動から書き直す |
| 選考フローに期間が書かれているか | 応募から内定までの目安があるか | 各段階の所要期間と面接官を追記する |
| FAQが実際の質問から作られているか | 想像で作った質問が並び、毎回聞かれる質問が抜けていないか | 直近の面接で受けた質問に差し替える |
| 対象ごとの入口があるか | 新卒と中途が同じページを読んでいないか | 対象別のページを分ける |
| 応募までの導線がページ間でそろっているか | ページごとにボタンの行き先が違わないか | 主導線(必要なら応募より手前の選択肢1つ)を決め、全ページのボタン文言と遷移先をそろえる |
| 社員が登場するページがあるか | 会社側の説明だけになっていないか | インタビューか1日のスケジュールを追加する |
| 制度に利用実績が添えられているか | 制度名の列挙で終わっていないか | 取得人数や利用状況を追記する |
| 最終更新がいつか分かるか | 数年前の情報が残っていないか | 見直す周期と担当を決める |
| 理念が具体例とセットで書かれているか | 抽象的な言葉だけで終わっていないか | 理念を理由に何を決めた、あるいはやめたかを1つ添える |
まとめ
採用サイトのコンテンツは、応募を判断するための必須6項目と、比較の段階で効く差別化6項目に分かれます。すべてを一度にそろえる必要はなく、着手の順番は今の採用課題で決まります。応募数が足りないのか、辞退やミスマッチが起きているのかで、先に手を入れるページは変わります。
公開したあとは、どこで人が減っているかを数字で確認し、面接で候補者に読んだページを聞いて、サイトに無い情報を足していきます。まずは本記事のチェックリストで、自社のサイトに足りていない項目を書き出すところから始めてください。
候補者が選んだ項目だけを届ける会社説明を、
TALKsmithで試してみませんか?
新卒と中途、エンジニアと営業では、求職者が採用サイトで確かめたいことが違います。対象ごとにページを分けても、説明会や面接では同じ会社説明を全員に向けて繰り返すことになりがちです。
TALKsmithでは、候補者が知りたい項目を選ぶとその内容だけが再生される対話型の動画(Video Agent)を、採用サイトや説明会の案内に設置できます。会社紹介や事業説明など、候補者によって知りたいことが分かれる項目を1本に収めながら、候補者ごとに見る内容を変えられます。どの項目が多く選ばれたかも記録されるため、次に厚くすべきコンテンツの判断材料にもなります。
よくある質問
Q1. 求人媒体に掲載していれば、採用サイトのコンテンツは不要ですか?
必要です。求人媒体は掲載できる情報量とフォーマットが決まっており、募集要項以上の情報を載せにくい形になっています。候補者は媒体で興味を持ったあと、社名を検索して自社サイトを確認します。その先に情報がなければ、比較の材料が募集要項だけになります。まずは募集要項・仕事内容・会社概要をそろえ、なかでも媒体に載せきれない仕事内容を厚く書いてください。
Q2. 採用ピッチ資料と採用サイトは、載せる内容をどう使い分けますか?
採用サイトは、まだ自社を知らない求職者が検索や媒体から訪れる場所で、採用ピッチ資料はカジュアル面談や説明会で候補者に直接渡す資料です。サイトは応募を判断するための情報を過不足なく置き、資料は事業の現状や課題など、話しながら補足する前提の内容まで踏み込めます。
参考:【2026】採用ピッチ資料とは?作り方・構成項目・事例・活用方法を徹底解説
Q3. 採用サイトに載せたコンテンツは、説明会や選考の案内にも使えますか?
使えます。説明会で毎回話している会社説明は、採用サイトの会社概要や仕事内容と重なる部分が多く、事前に読んでもらえれば当日は質疑に時間を使えます。選考の案内メールに選考フローのページを添える、面接前に仕事内容のページを案内するといった形で、同じコンテンツを繰り返し使えます。動画にしておくと、説明会の録画や個別面談の事前案内にも転用できます。
Q4. コンテンツの原稿や写真は自社で用意する必要がありますか?
制作会社に依頼する場合でも、事業内容・制度・仕事の実態にあたる情報は自社から提供する必要があります。取材とライティング、撮影は外部に任せられますが、何を載せるかの判断と事実確認は社内の仕事です。依頼前に、必須6項目のうち自社で書ける項目を書き出しておくと、見積もりの範囲も明確になります。
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