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チュートリアル動画とは?作り方5ステップ・分かりやすくするコツを解説

Takashi NishizawaTakashi Nishizawa|2025-12-17公開|2026-09-29更新

チュートリアル動画とは?作り方5ステップ・分かりやすくするコツを解説

機能が多く操作画面が複雑なツールやサービスでは、テキストと静的な画像で構成された従来のマニュアルには限界が生じます。カーソルによる操作、深い階層のプルダウンメニューや画面の切り替えなどをテキストだけで伝えることは難しく、結果としてカスタマーサポート部門は、同じ質問に同じ説明を繰り返しています。

また、機能改善やUI改修のたびに分厚いマニュアルを改訂し直す作業は、担当部門にとって多大なリソースを消耗する要因となっています。こうしたマニュアル運用の行き詰まりを解消し、顧客や従業員の自立したシステム活用を加速させる解決策が「チュートリアル動画」です。動画を活用すれば、複雑な管理画面の設定手順や細かな操作ニュアンスを直感的に伝えられます。

本記事では、チュートリアル動画の定義や関連形式との違いを整理した上で、自社で制作を完結させる作り方、現場で迷わせないための分かりやすさの原則、公開後の運用改善や最新の個別最適化手法までを体系的に解説します。

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この記事の内容
  1. チュートリアル動画とは
  2. チュートリアル動画を活用するメリット
  3. 分かりやすいチュートリアル動画の作り方5ステップ
  4. チュートリアル動画を分かりやすくする5つのコツ
  5. チュートリアル動画の主な公開先
  6. チュートリアル動画を改善する方法
  7. チュートリアル動画を個別最適化する方法
  8. チュートリアル動画は内製と外注のどちらがよい?
  9. まとめ
  10. チュートリアル動画に関するよくある質問

チュートリアル動画とは

チュートリアル動画とは、ソフトウェアやWebサービス、各種業務システムの「基本操作や初期設定、特定タスクの手順」を、実際の画面操作や実演映像を交えて案内する動画コンテンツです。

近年、あらゆるビジネス現場でクラウドツールの導入が進む一方、多機能ゆえに初期設定でつまずき、システムが現場に定着しない「オンボーディングの失敗」が深刻化しています。どれほど高度な機能を備えたツールであっても、導入初期の設定や定着で挫折してしまえば、解約や利用停止に直結します。

従来のマニュアルが「読んで理解する」ものであったのに対し、ドキュメントを隅々まで読み込む余裕がない現代のビジネスパーソンが「見て、聞いて、真似る」ことで、短時間で操作を理解できるチュートリアル動画は、特にツール導入初期のスムーズな利用開始(オンボーディング)を支援する役割を担っています。

動画マニュアル・HowTo動画との違い

ビジネス現場で活用される映像コンテンツには、チュートリアル動画のほかに「動画マニュアル」や「HowTo(ハウツー)動画」が存在します。いずれも業務や操作の伝達に映像を用いる点は共通していますが、制作目的や想定する視聴者、取り扱う情報の粒度において明確な違いがあります。

各形式の特性を整理した比較表は以下の通りです。

項目チュートリアル動画動画マニュアルHowTo動画
主な目的初期導入・特定操作の自立習得、オンボーディング加速業務手順の標準化、例外処理を含めた網羅的な記録個別の課題解決、特定機能のTips・応用テクニック習得
主な対象者新規導入顧客の管理者・現場担当者、社内の新任担当者既存の業務担当者、社内オペレーター、現場作業員一定の操作に慣れた既存ユーザー、特定機能の活用希望者
コンテンツの範囲基本操作、単一タスクの完結(1〜3分程度)業務プロセス全体の詳細手順、例外分岐(数分〜十数分)特定のショートカットや便利機能(数十秒〜数分)
主な活用場面BtoB SaaSの導入支援、社内基幹システムの定着業務引き継ぎ、コンプライアンス教育、定期オペレーションヘルプ内のFAQ検索、機能アップデートの告知

網羅的な業務手順書として例外処理まで記録する「動画マニュアル」や、発展的な活用方法を扱う「HowTo動画」に対し、チュートリアル動画は「初心者が最短ルートで初期設定や重要機能を使いこなせる自立支援」に特化している点が決定的な違いです。最初の操作の壁を取り払い、「自分一人でできた」という成功体験を与える役割を果たします。

チュートリアル動画が役立つ場面

チュートリアル動画は、機能が複雑なシステムを提供する企業や、社内のITツール展開を担う部門において高い費用対効果を発揮します。

BtoB SaaSや業務管理システムの初期導入時
クラウド型のERP、CRM、人事労務システム等の初期設定では、アカウント権限の割り当てやマスタデータ連携など、高度な作業が求められます。管理画面が複雑であるほど設定作業は先送りされ、導入プロジェクトが停滞しがちです。ここで初期連携までの手順を示した動画があれば、ユーザーは画面の動きを模倣するだけでスムーズに設定を完了でき、早期の本格稼働へ導けます。
複雑な機能を持つ専門ツールの機能立ち上げ
CADソフト、デザインツール、データ分析基盤といった専門性の高いソフトウェアでは、画面上に多くのパラメータが並びます。テキストで「メニューから特定のマスク処理を選択して閾値を調整する」と指示されても、初心者はメニュー項目を探すだけで迷います。熟練者が迷いなくカーソルを動かして機能を適用する流れを映像で見せることで、操作イメージが直感的に共有され、習得者の負担を軽減できます。
社内情報システム・全社基幹ツールの展開
全社規模で経費精算システムやワークフロー基盤を刷新する際、情報システム部門にはログインや申請手順に関する問い合わせなどが殺到することがあります。マニュアルを配布しても読まれず個別対応に追われる事態を防ぐため、短いチュートリアル動画を社内ポータルに配置することが有効です。従業員の自己解決を促し、バックオフィス部門の問い合わせ対応工数を大幅に削減できます。

チュートリアル動画を活用するメリット

複雑な製品を扱うBtoB企業において、チュートリアル動画の導入は単なる業務の効率化にとどまらず、組織の生産性を高める戦略的メリットをもたらします。

操作や手順を直感的に伝えられる

チュートリアル動画最大の強みは、テキストでは表現しきれない「動的なプロセス」を映像で直感的に伝えられることです。文字主体のマニュアルでは、「画面右上の設定アイコンからシステム環境を開き、左メニューの権限グループを選択後、該当メンバーを有効化する」といった長文の説明になり、ユーザーは画面レイアウトを頭の中で再構築するという負荷を強いられます。

動画であれば、カーソルがどこへ移動し、クリックによって画面がどう遷移したかが再現されます。視覚情報と音声解説が完全に同期するため、利用者は思考を止めることなく見たままの操作を真似て目的を達成できます。ドラッグ&ドロップによる階層の入れ替えやトグルスイッチの切り替えといった感覚的な操作も、わずか数秒の映像で正確に伝わります。

ユーザーの自己解決を促せる

操作に行き詰まった際、問い合わせフォームに不具合の状況を文章で打ち込み、返信を待つ時間はユーザーにとって大きなストレスです。こうした経験が複数回続けば、業務の手を止められたユーザーは不満を募らせ、システムの利用自体を敬遠、躊躇するようになります。

チュートリアル動画へのアクセスを容易にすることで、操作に迷ったらすぐに動画を確認し、自力で解決して作業を続行できます。誰の手も借りずに作業を完了できたといった利用体験を重ねることは、カスタマーサクセスにおける重要指標である「顧客が価値を実感するまでの時間(TTV:Time to Value)」を短縮し、導入初期の離脱リスクを抑える推進力となります。

サポート業務の対応品質を向上できる

利用者が増えるにつれ、サポート担当者が初期設定やアカウント発行などの対応に追われる状況が生じます。定型対応に工数を奪われると、顧客ごとの個別課題に対する深い提案や課題の先回りをするような積極的な支援に手が回らなくなります。

チュートリアル動画によって基本操作の手順を標準化しておけば、すべての利用者に対して常に均一で洗練されたガイダンスを届けることができます。担当者のスキルによる案内品質のばらつきを排除し、サポートの対応水準を底上げできます。定型的な対応は、動画URLを案内するだけで完結するため、長文メールの作成や電話対応が不要となり、平均対応時間の大幅な短縮も実現します。

分かりやすいチュートリアル動画の作り方5ステップ

複雑な操作画面を持つ製品のチュートリアル動画の収録は事前準備が不足していると、操作に余計な迷いが生じて冗長な動画になりがちです。明確な5つのステップに沿って体系的に進めることが成功の鍵となります。

1. 対象ユーザーとゴールを決める

制作の第一歩は、その動画が「誰のためのもので」「見終わった後に何ができるようになっているべきか」を厳密に定義することです。ここが曖昧なまま進むと、専門用語のレベルや説明の細かさにブレが生じます。

ペルソナを規定する際は、ITリテラシーや業務知識の前提を整理します。同一の会計システムを解説する場合でも、「他社ソフトの利用経験がある経理担当者」と「業務ソフト未経験の担当者」とでは、解説すべき用語の深さや前提知識の補足説明の幅が異なります。

ゴール設定においては、「ユーザーが自力で完了できる単一のアクション」に限定します。「請求書の新規作成からPDF出力までを完了する」「初期管理者グループを1つ作成する」といったように、具体的なゴールを1つだけ設定することが、構成から無駄を削ぎ落とす基準となります。

2. 説明内容と構成を決める

対象とゴールが定まったら、最短の手数でゴールへ導くための構成案(絵コンテ)と説明の台本を作成します。ユーザーの理解と定着を助ける「導入・本編・まとめ」の3部構成を基本とします。

導入(5〜15秒)
形式的な挨拶や会社ロゴの長い演出を排し、「この動画で何ができるようになるのか」「この設定や操作によって得られる業務メリット」を端的に宣言します。動画の冒頭で自分が必要とする内容だと判断できる情報をひと目でわかるように提示することが重要です。
本編(1〜2分)
ゴールに至る操作プロセスを論理的な小ステップに分解して提示します。1本の動画内で扱う手順は一連のタスクが完了する最小ステップにするのが鉄則です。「ステップ1:連携画面を開く」「ステップ2:APIキーを発行する」のように、全体の流れと各操作の現在地を整理します。
まとめ・ネクストアクション(5〜15秒)
完了したタスクの内容を短く振り返り、次に実行すべき操作(例:「これでマスタ登録は完了です。続いてメンバーを招待しましょう」等)を提示して、次のアクションへ自然に誘導します。

構成が固まったら、画面の動き、表示テロップ、ナレーション全文を一字一句書き起こした台本を作成します。実際に声に出して音読し、ストップウォッチで計測しながら無駄のない尺に収まっているかを確認します。

3. 操作画面や素材を収録する

台本完成後、画面操作キャプチャと音声の収録を行います。多機能なツールの画面収録では、視聴者が操作対象だけに視線を集中できる映像設計と、そのための環境作りが重要です。

まずデスクトップ環境を整理します。無関係なブラウザのタブ、ブックマークバー、通知ポップアップは非表示にします。顧客データや本番環境の生データが映り込むリスクを避けるため、架空の検証用テストデータを用意して収録に臨みます。

マウスポインターの動かし方にも注意を払います。ポインターを無目的に回したり激しく上下させたりすると視聴者に疲労を与えます。次の操作対象へ向けて直線的かつ一定速度でカーソルを動かし、クリック後はその位置で約1秒静止する意識を持つだけで、映像の見やすさが飛躍的に高まります。

4. テロップ・ナレーション・動画を編集する

収録素材を編集ソフトに読み込み、情報の伝達密度を高めるためのブラッシュアップを行います。編集プロセスは以下の手順で進めます。

  • 不要箇所のカット:システムの読み込み待ち時間や入力中の余白などを削除し、操作テンポを整える。
  • 操作箇所のズームアップ:ボタンが密集した管理画面では、クリックする入力欄やトグル周辺を大胆に拡大表示する。
  • 視覚的強調(ハイライト):操作すべき重要項目を赤枠で囲み、必要に応じて矢印を添えて視認性を高める。
  • 要点テロップの配置:ナレーション全文を書き起こすと文字追いで画面を見失うため、「半角英数で入力」など操作の要点のみを表示する。
  • 音声の最適化:音量を均一化して突発ノイズを排除し、BGMを使用する場合はナレーションを邪魔しない控えめな音量に設定する。

5. 公開して改善する

動画データを配信に必要なファイル形式で出力し、ヘルプセンターやシステム管理画面などの適切な導線へ配置します。チュートリアル動画は公開して終わりではなく、視聴データを分析して改善サイクルを回すことで成果を最大化します。

アナリティクス機能を活用し、平均視聴維持率や急激な離脱が発生している秒数を点検します。冒頭で離脱が多い場合は前置きが長すぎる可能性があり、特定箇所で繰り返し巻き戻されている場合は画面遷移が早すぎるか説明不足の兆候です。これらのデータに基づき、テロップの補足やズーム時間の調整などピンポイントの改修を加えます。

チュートリアル動画を分かりやすくする5つのコツ

手順を踏んで動画制作しても、「途中で離脱される」「動画の公開後も質問が減らない」という壁に当たることがあります。迷わず直感的に理解させるための5つの原則を解説します。

1. 1動画1テーマに絞る

関連する複数の機能や設定を1本の動画に詰め込むと、動画の焦点が曖昧になり、ユーザーは目的の操作箇所を探す手間を強いられます。

チュートリアル動画の基本は「1動画につき1つの具体的タスク」で完結させる設計です。「APIキーの発行」「CSVによるメンバー一括登録」といった単位でテーマを厳格に限定します。対象タスクを絞り込むことで、ユーザーは必要な情報だけに集中でき、迷わず手元で再現できるようになります。

2. 冒頭でゴールを伝える

ユーザーは、再生直後に自分にとって必要な動画かどうかを判断します。操作手順以外の不要な情報や説明は完全に排除しましょう。

動画開始5〜10秒以内に明確な着地点を示します。「この動画では、請求書の自動合算機能の設定手順を解説します。完了すれば月末の締め作業を自動化できます」というように、操作のゴールだけでなく、それによって得られる業務上のメリットまで端的に宣言することが離脱防止の決め手です。

3. 実際の操作画面を見せる

概念図やスライド解説が長く続くと、実際のシステム上での操作イメージを結びつけられません。チュートリアル動画の本質は「見たまま真似できる再現性」にあるため、概念説明は最小限に抑え、速やかに実際のUI画面へ切り替えます。

操作画面を見せる際は、メニューの選択から設定ウィンドウの展開まで、自然な画面遷移を再現します。ただし、データ読み込みや文字入力の待ち時間は等倍で見せる必要はなく、倍速処理や不要箇所のカットで短縮して視聴テンポを維持することが重要です。

4. 視覚と音声で理解を補助する

画面上に長文のテロップを敷き詰めると、ユーザーは文字を読むことに意識を奪われ、カーソルの動きや画面の遷移を見失います。

「画面の動きで操作手順を示し、重要ポイントのみを短いテロップで強調し、操作の理由や補足をナレーションで添える」という明確な役割分担を徹底します。テロップは1行あたり15〜20文字程度に留め、「半角で入力」「CSV形式を選択」といった端的な指示に絞り込むことで、視覚と聴覚から直感的に頭に入ります。

5. 長い説明は動画を分割する

複雑な業務ツールのマスタ構築など、全体の作業に十数分以上を要する設定であっても、1本の長尺動画にまとめてはいけません。業務中のユーザーが集中を維持できる時間は限られており、動画尺が長くなるほど視聴完了率は大幅に低下します。

全体の工程が長い場合は、「基本設定編」「権限グループ構築編」「外部連携編」のように、作業の節目ごとに動画を分割します。短尺の動画に切り分けておくことで、将来的なUI変更や機能改修の際にも該当の動画1本を差し替えるだけで済み、メンテナンス工数を劇的に抑制できます。

チュートリアル動画の主な公開先

制作したチュートリアル動画の価値を最大化するためには、ユーザーが操作につまずく瞬間を捉え、適切な導線上に配置することが欠かせません。

ヘルプページ・FAQ

最も基本となる設置場所が、公式ヘルプセンターやFAQサイトの記事内です。操作に行き詰まって検索してきたユーザーに向け、記事の冒頭や各手順の説明箇所に埋め込みます。「この操作手順は動画(1分30秒)でも確認できます」と明記しておくことで、テキスト派と動画派の双方がストレスなく自己解決でき、サポートへの問い合わせを抑制します。

Webサイト・サービスサイト

導入検討中の見込み顧客に対し、操作性の高さをアピールして導入不安を払拭する目的でサービスサイトに掲載します。「自社の現場メンバーが使いこなせるか」という懸念を抱く検討層に対し、実際の洗練された操作画面を見せることで、ツールの扱いやすさを直感させ、トライアルや問い合わせの獲得率を引き上げます。

プロダクト内

ユーザーがつまずいたその場で解決を図るため、管理画面やWebアプリケーションへ直接組み込むことも有効です。操作中の画面に別画面を重ねて立ち上げる仕様にしたり、各設定項目脇のヘルプアイコンからその場で動画が再生される導線設計が理想的です。別タブを開いてヘルプを検索させるなどの離脱のきっかけを排除し、スムーズな問題解決を実現します。

メール・オンボーディング施策

アカウント発行後の新規顧客へ送信するウェルカムメールやステップメールに動画を配置します。初回のログイン後は「初期設定の手順」、セットアップ完了後は「主要機能の連携」といったように、利用フェーズの進捗に合わせて案内します。メール本文内に動画のサムネイル画像を配置して遷移を促すことで、ツールの早期定着を後押しします。

YouTubeなどの動画プラットフォーム

公式の活用支援チャンネルを開設し、チュートリアル動画を公開します。Google検索やYouTube内で操作方法を検索する既存ユーザーの受け皿となるだけでなく、同様の業務課題を解決したい潜在層との接点を生み出すオーガニックな流入チャネルとしても機能します。

チュートリアル動画を改善する方法

チュートリアル動画の成果を最大化するためには、公開後の定期的な検証と改善が欠かせません。

視聴率や離脱箇所を確認する

運用サイクルの起点となるのは、視聴データから得られる客観的な数値指標に基づくモニタリングです。

【チュートリアル動画の主要チェック指標】
  • 再生開始率(設置ページのPV数に対する動画再生の割合)
  • 平均視聴完了率(動画を最後まで閲覧したユーザーの割合)
  • 離脱多発箇所(急激に再生が停止・離脱されている秒数)
  • 巻き戻し再生箇所(ユーザーがバーを戻して繰り返し再生した秒数)

平均視聴完了率が低い場合は全体の尺が長すぎるか構成が間延びしています。特定の箇所で多く離脱されているポイントは、説明が専門的すぎるか画面展開が早すぎるボトルネック箇所です。繰り返し再生されている箇所はつまずきやすいポイントであるため、部分的な拡大表示を追加したりテロップを補足したりして改修します。

問い合わせから追加テーマを見つける

追加で制作すべき動画テーマを特定する最大の情報源は、カスタマーサポートに集まる問い合わせログです。サポートチケットやチャットの履歴を定期的に分析し、同じような操作質問が集中している項目を抽出します。文字によるマニュアルでは理解しにくい操作を特定し、解説動画を追加制作することが、自己解決を促し、問い合わせ削減へつながります。

UIや機能変更に合わせて更新する

SaaSや業務ソフトウェアにおいて、利便性向上のための画面改修や機能追加は頻繁に発生します。しかし、実際の画面と動画内の画面に食い違いがあると、ユーザーは操作に迷い、かえって利便性を損ないかねません。製品アップデートの計画に関連動画の改修タスクを組み込み、変更と同時に動画を差し替えられる運用体制を整えることが重要です。

チュートリアル動画を個別最適化する方法

従来のチュートリアル動画は情報伝達力に優れる一方、「全員に同一の内容が同じ順序で一方通行で流れる」という構造的な制約を抱えています。この課題を克服し、ユーザーの個別の問題解決への即答性を高めるために、動画を個別最適化することが有効です。

習熟度によるニーズの乖離

基本概念から順を追って学びたい新任担当者に対し、特定項目だけを確認したい既存ユーザーにとってはメニュー選択などの基本操作は不要な説明です。同じタスクでも利用レベルによって、使用する機能や詳細な設定の細かさが異なります。習熟度の違いが必要とする情報の深さの差になります。

ユーザー権限や契約プランによる違い

エンタープライズ向けのツールでは、「システム管理者」「承認者」「一般利用者」といった権限や料金プランによって画面構成や操作項目、利用可能な機能が異なります。これらの要素を一本の動画ですべて網羅しようとすると動画が長尺となり、「権限✕プラン」の組み合わせで分割すると、動画本数が膨大になり、いずれの場合もユーザーが必要な情報にたどり着くには大きな負担になります。

ユーザーに合わせて説明内容を分岐する

こうした弱点を解消する個別最適化の手法が、動画内に選択肢を埋め込み、視聴者の選択に応じて説明内容を分岐させる「インタラクティブ動画(対話型動画)」です。動画冒頭で利用目的や立場を選択させることで、個々のニーズに応じたパートが再生され、説明の深さ、粒度なども最適化されます。

【インタラクティブ動画による分岐イメージ】
動画冒頭の設問:「あなたの権限と目的の操作を選択してください」
├─ [管理者:初期メンバー招待・権限付与] ──→ 管理者設定手順へ(1分30秒)
├─ [一般ユーザー:プロフィール・通知設定] ──→ 個人設定手順へ(1分)
└─ [システム担当:外部SaaSとのAPI連携] ───→ 開発者連携手順へ(2分)

初心者には用語解説を含む丁寧な説明がされ、慣れている利用者には、ピンポイントで必要な説明を受けられる、あたかも専任のサポート担当者が個別指導を行っているようなパーソナライズ体験を提供できます。インタラクティブ動画の具体的なビジネス活用事例については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

関連記事:75ページにも及ぶマニュアルを 「分岐付きのVideo化」で改善!

視聴データから動画を追加改善する

インタラクティブ化により、ユーザーの関心や課題をデータとして可視化できる利点も生まれます。従来の再生回数だけでなく、「どの選択肢が選ばれたか」「どの分岐ルートで離脱が多いか」などの行動ログが蓄積されます。「特定プランのユーザーがAPI連携で離脱している」といった事実を特定できれば、動画改修だけではなく、製品自体のUI改善へつなげることも可能になります。

チュートリアル動画は内製と外注のどちらがよい?

チュートリアル動画の導入にあたり、「社内で内製するか」「外部へ委託するか」の判断基準を整理します。

チュートリアル動画を内製する場合

カスタマーサクセスや情報システム部門の担当者が、自社のデスクトップ環境で企画から収録・編集までを手掛けるアプローチです。

内製のメリット
最大の利点は低コストとスピード感です。外注費をかけず、現場の課題感に合わせて即座に収録・公開できます。製品仕様やつまずきやすいポイントを熟知した社内メンバーが制作するため、的確な内容にしやすく、UI変更に伴う差し替えも社内ですぐに対応できます。
内製のデメリット
制作ノウハウが不足している場合、構成や編集に想定以上の時間を要し、コア業務を圧迫するリスクがあります。また、音声収録の環境が整っていない、不慣れな編集などによって、音声の聞き取りにくさ、動画のテンポの悪さが、ユーザーの課題解決の妨げになる懸念があります。

チュートリアル動画を外注する場合

映像制作会社などに企画・台本作成から収録・編集、プロナレーターの手配までを委託するアプローチです。

外注のメリット
洗練された映像展開や聞き取りやすいプロのナレーションにより、企業ブランディングに寄与する高水準な動画を制作できます。社内担当者は要件定義と監修、動画レビューに集中できるため業務負荷を抑えられます。
外注のデメリット
1本あたり数十万円以上の制作コストが発生する点と、修正時のタイムラグが課題です。機能追加やボタン位置の変更が発生するたびに追加発注が必要になり、納品まで数週間を要するため、頻繁に仕様が変わるシステムには不向きです。

内製と外注を選ぶときの判断基準

両者の使い分けは、「目的」「設置場所」「更新頻度」の3軸で切り分けます。

判断軸内製が適しているケース外注が適しているケース
主な目的操作サポート、FAQ対応、サポート工数の削減サービス認知拡大、営業商談デモ、展示会上映
主な公開先ヘルプセンター、システム管理画面内、社内イントラサービスサイトTOP、Web広告、公式YouTubeトップ
画面の更新頻度アジャイル開発等により、UIや機能が頻繁に変更される基本的なUIやデザインが年単位で固定されている
コストと納期制作費用を抑え、即座に制作・改修サイクルを回したい予算を確保でき、1〜2ヶ月の制作期間を許容できる
求められる品質正確性・分かりやすさ・更新スピードを最重視映像の美しさ・演出力・高いブランドイメージを最重視

サービスサイトの顔としてプロモーション効果まで狙う場合は外注による高品質な動画を採用し、日々の操作を支援するチュートリアル動画は内製でスピードを担保するのが賢明です。近年は直感的な画面録画ツールやAI音声合成、インタラクティブ動画ツールが充実しており、実務的な動画は内製ツールを第一選択肢として検討することが推奨されます。

まとめ

チュートリアル動画は、テキスト形式のマニュアルでは伝えきれない「直感的な操作プロセス」を短時間で届け、ユーザーの自立したシステム活用を加速させる強力なコンテンツです。

複雑なBtoBシステムにおいて、チュートリアル動画の成果を最大化する要点は以下の通りです。

  • 目的と対象の絞り込み:対象者の前提知識を定義し、自力で完了できるゴールを設定する。
  • 冒頭の結論提示:冒頭でゴールと業務メリットを明示し、手順は最小ステップで整理する。
  • 1動画1テーマの徹底:複数機能を詰め込まず、1〜3分程度のコンパクトな動画に分割する。
  • 視覚と音声の役割分担:実際の操作を見せ、要点テロップと音声で認知負荷を下げる。
  • データ起点の運用サイクル:視聴維持率や問い合わせログを起点に定期改修し、画面仕様の変更に即座に追従する。

まずはカスタマーサポートに頻繁に寄せられる操作質問を1つ選び、短いチュートリアル動画を自社で制作することから着手してみてください。

チュートリアル動画、
まだ「画面録画」で作っていますか?

動画で顧客の理解度を高めたいけれど、作成や機能更新ごとの「撮り直し」に時間がかかりすぎていませんか? Video Agent「TALKsmith」なら、既存の資料をアップロードするだけで、最短15分でAIがチュートリアル動画を自動生成。視聴者が知りたい情報に合わせて内容が分岐するため、顧客満足度の高い動画を簡単に作成・運用できます。まずはサービス資料でご確認ください。

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CSO/西澤 宗

Takashi Nishizawa

(株)イノベーションで営業責任者としてIPOを経験。その後、(株)セールスフォース・ジャパンで外勤営業として活躍。入社から2年連続で年間予算を達成。史上最年少で営業部長へ昇進(当時)。その後、エピックベース(株)を共同創業し、CS組織を含めたビジネスサイド全体の立ち上げを経験。LOOV(株)ではCS責任者として顧客との信頼関係の構築を推進。

チュートリアル動画に関するよくある質問

チュートリアル動画は何分くらいが適切ですか?

原則として「1タスクにつき1〜3分以内」に収めるのが最適です。手順が多い場合は作業工程ごとにチャプター設定することが重要です。業務システムにおける用途別の目安時間は以下の通りです。

  • 単一の機能設定・特定操作の解説:1分〜2分程度(最短手順のみを示す)
  • 一連の業務フロー・初期設定:2分〜3分程度(ステップ構造を明示しながら進行する)
  • 例外処理を含む包括的な管理設定:3分〜5分程度(超える場合は動画を分割する)

チュートリアル動画にナレーションは必要ですか?

原則としてナレーションを入れることを推奨します。画面の動きや要点テロップに音声解説が連動することで、文字を目で追う負担が軽減され、一度の視聴で理解しやすくなります。ただし、視聴環境によっては音声をミュートにして閲覧することも想定されます。「ミュートでも画面の動きと要点テロップだけで理解できる」設計が基本となります。

チュートリアル動画はスマートフォンだけでも作れますか?

BtoBの業務システムやクラウドツールを対象とする場合、基本的にはPC環境での制作が必須となります。業務システムの多くはPCの大画面ブラウザでの利用を前提に設計されており、スマートフォンの画面収録では管理画面のメニュー構成や微細な入力フォームを正しくキャプチャできません。カーソルの軌跡やクリックの挙動を明確に記録するためにも、PC上で動作する画面録画ソフトとマイク環境を使用することが品質確保の前提条件です。

チュートリアル動画はどのタイミングで更新すべきですか?

「実際の管理画面のデザインやボタン配置(UI)が変更されたタイミング」および「機能仕様や操作手順が変更されたタイミング」で即座に更新する必要があります。動画は画面の見た目がそのまま記憶に残るため、実際の画面とわずかでも食い違いがあるとユーザーは操作に迷い、サポートへの問い合わせを誘発します。更新負担を抑えるためには、開発・リリース計画に動画レビューを組み込み、1〜2分の短いモジュール単位で制作しておくことが有効です。

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