ビデオセリングの話し方|成果につながる動画での話し方のコツ
|2025-01-12公開|2026-08-23更新
「商談では問題なく話せるのに、カメラを向けられると緊張して、うまく言葉が出てこない」「台本を用意すると棒読みになってしまう」「動画で何をどの順番で伝えればよいのか分からない」と悩んでいる営業担当者は少なくありません。
ビデオセリングでは、流暢に話せることだけが成果を左右するわけではありません。重要なのは、誰に向けて何を伝える動画なのかを明確にし、視聴者が商品・サービスを理解して、次の行動を判断できる状態をつくることです。
本記事では、ビデオセリングを実践する際の動画構成から、カメラの前での話し方、よくある失敗、利用シーン、撮影前の準備、視聴データを活用した改善方法まで解説します。
ビデオセリングそのものの仕組みやメリット、活用シーンについて詳しく知りたい方は、「Video Selling(ビデオセリング)とは?」もあわせてご覧ください。本記事では、ビデオセリングを実践するときの「話す内容」と「話し方」に焦点を当てます。
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ビデオセリングとは
ビデオセリングの定義
ビデオセリングとは、営業プロセスに動画を取り入れ、商品・サービスの説明や提案、商談前後のフォローなどに活用する営業手法です。顧客ごとの課題や検討状況に合わせた動画を届けることで、営業担当者と顧客が同じ時間に商談をしていなくても、必要な情報を伝えられます。具体的には、商品説明やデモ、提案内容などを動画化し、顧客とのコミュニケーションに活用する方法です。
通常の商談との違い
通常の商談では、相手の表情や質問、相づちを見ながら説明の内容や順番を調整できます。一方、事前に収録して送るビデオセリングでは、その場で視聴者の反応を確認できません。
そのため、普段の商談では自然にできている説明でもカメラの前では難しく感じることがあります。「相手が理解しているか分からない」「どこまで詳しく説明すればよいか判断できない」といった不安が生まれ、必要以上に説明を詰め込んだり、台本を読み上げるだけになりやすいためです。
反対に、動画には繰り返し視聴できるという利点があります。商談前に基礎情報を伝えておけば、当日は顧客固有の課題について話す時間を増やせます。商談後であれば、提案内容を顧客が社内で共有するときの補足資料としても機能します。つまり、対面商談をそのまま録画するのではなく、「動画だからこそ伝えやすい内容」に整理することが重要です。
「うまく話すこと」より「相手に伝わること」
ビデオセリングで最も重視したいのは、プレゼンテーションの巧拙ではなく、視聴者が判断に必要な情報を理解できることです。
株式会社LOOVがBtoBツールの導入検討経験者100名を対象に行った購買体験調査では、「Webサイトや資料に基本情報が足りず、商談を受けなければ判断材料が得られなかった」と感じた人が90%にのぼり、そのうち42%は「よくある」と回答しています。
この結果からも、買い手が求めているのは、単に説明が流暢であることではなく、自分の検討に必要な情報を適切なタイミングで得られることだと考えられます。ビデオセリングでも、難しい言葉をよどみなく話すことより、「この動画を見れば、自社に必要なサービスなのか判断できる」と感じてもらえる情報設計を優先しましょう。
カメラの前では言い間違いや沈黙が気になり、何度も撮り直したくなることがあります。しかし、完璧に話す必要がないことを理解しましょう。細かな言い間違いをなくすことに集中するより、顧客が知りたいことを分かりやすく伝えられているかを確認する方が重要です。
成果につながる動画の組み立て方(話す内容の設計)
話し方を改善する前に整理したいのが、「何を、どの順番で話すか」です。声の出し方や表情が自然でも、会社紹介や機能説明が長く続き、視聴者が知りたい情報になかなか到達しなければ、営業動画としての成果にはつながりにくくなります。
ビデオセリングでは、視聴者が「自分に関係のある話だ」と理解でき、動画を見ることで何が分かるのかを早い段階で把握できる構成を意識しましょう。
1. 誰に向けた動画かを決め、冒頭で対象者と課題を名指しする
動画を作る前に、まず「誰に見てもらう動画なのか」を明確にします。「すべての見込み顧客」を対象にすると、内容が一般論に寄りやすく、結果として誰にも強く響かない動画になりがちです。
株式会社LOOVの購買体験調査では、「個別の商談なのに一般論が中心で、自社への応用が難しかった」と感じた人が60%にのぼり、そのうち30%は「よくある」と回答しました。個別性を期待している買い手に一般的な説明だけを届けても、「これは自社のための情報ではない」と受け取られる可能性があります。
そこで動画の冒頭では、対象者や課題を具体的に示します。「営業部門の商談数は増えているものの、受注率が上がらず悩んでいる営業責任者へ」「SaaSのサービス説明に時間がかかり、営業担当者の工数を削減したい営業企画担当者へ」のように始めれば、視聴者は自分に関係する動画かどうかをすぐに判断できます。
2. 結論・要点から先に伝える(メッセージは一つに絞る)
動画では、結論を後半まで引っ張らず、冒頭に近い位置で要点を伝えます。視聴者は必ずしも最初から最後まで動画を見るとは限らないためです。
「今回は、商談前に動画を送ることでサービス説明の時間を減らし、商談を提案に集中させる方法をご紹介します」と最初に伝えれば、その後の内容を理解しやすくなります。一方、「まず弊社の沿革をご説明し、その後サービスについて…」と始めると、視聴者が自分にとっての視聴価値を判断するまでに時間がかかります。
また、一つの動画に複数の目的を持たせないことも重要です。サービス概要、料金、導入事例、操作方法、契約フローをすべて一本に盛り込むより、「サービスを理解してもらう」「導入事例を知ってもらう」など、動画ごとに役割を分けた方がメッセージは明確になります。
まず伝えたいメッセージを一つに絞った短尺動画から始めることを推奨します。視聴者の役職や興味関心に応じて動画を分ければ、必要な情報を必要な人に届けやすくなります。
3. 機能ではなくベネフィットを伝える
商品やサービスに詳しい担当者ほど、動画でも機能説明が中心になりやすいものです。しかし、視聴者が本当に知りたいのは「その機能があること」ではなく、「その機能によって自社の何が変わるのか」です。
「視聴データを取得できます」だけでは、機能の紹介で終わります。これを「顧客がどの内容に関心を持ったかを商談前に把握できるため、当日の提案を相手の関心に合わせて準備できます」と言い換えると、利用する価値が具体的になります。
機能を説明するときは、その後に「その結果、顧客や営業担当者にどのような変化が生まれるのか」まで伝えましょう。視聴者が自社で利用している場面を想像できるほど、商品・サービスを自分ごととして捉えやすくなります。
4. 数字・事例・顧客の声で根拠を示す
ベネフィットを伝えたら、それを裏付ける具体的な根拠を加えます。「業務を効率化できます」「営業成果が高まります」といった表現だけでは、どのサービスでもいえてしまうためです。「導入企業では商談準備時間を○%削減した」「同じ業界の企業ではこのような使い方をしている」「導入担当者からこのような評価を得ている」と、数字や事例を示せば、視聴者は導入後の姿を具体的に判断できます。
特にBtoB商材では、動画を見た本人だけで意思決定が完結するとは限りません。担当者が上司や決裁者へ説明するときにも使える客観的な情報を盛り込んでおけば、動画を見た後の社内共有にも役立ちます。
ただし、数字を多く見せればよいわけではありません。動画で訴求したいメッセージと直接関係する実績に絞り、「何を示す数字なのか」が分かる形で提示しましょう。
5. 最後に取ってほしい行動(CTA)を一つだけ示す
動画の最後では、視聴後に何をしてほしいのかを具体的に伝えます。内容を理解してもらえても、次の行動が曖昧なままでは、営業プロセスがそこで止まってしまう可能性があります。
株式会社LOOVの購買体験調査では、「次に誰が・何を・いつまでにするのかが曖昧なまま商談が終わった」と感じた人が90%にのぼり、そのうち31%は「よくある」と回答しています。商談だけでなく動画でも、受け手が「次にどうすればよいか」を迷わない設計が必要です。
商談前の動画であれば「ご覧いただいた内容をもとに、次回は御社の課題について30分ほどお話しさせてください」、資料請求後であれば「具体的な導入事例をご希望の場合は、こちらから日程をご予約ください」といった形です。
CTAを「資料を見る・問い合わせる・メルマガに登録する・セミナーに参加する」と複数並べると、かえって選択しにくくなります。その動画で最も取ってほしい行動を一つに絞りましょう。
ビデオセリングの話し方10のコツ
伝える内容を整理したら、次はカメラの前でどのように話すかを整えます。ビデオセリングでは、アナウンサーのような完璧な話し方を目指す必要はありません。営業担当者として普段顧客に説明しているときの自然さを残しながら、動画でも理解しやすい速度、言葉、視線、表情に調整することがポイントです。
1. カメラの先に顧客がいると考える
カメラを「撮影機材」と意識すると、表情や声が硬くなりやすくなります。普段の商談と同じように、レンズの先に一人の顧客がいると考えて話しましょう。「不特定多数の人にサービスを説明する」のではなく、「前回の商談でこの課題について相談してくれた○○さんに説明する」とイメージすると、自然に使う言葉や声のトーンが変わります。
カメラの前で緊張する場合も、自分の映り方や話し方ではなく、「この説明で相手の疑問を解消できるか」に意識を移すことで、必要以上に自分を気にしにくくなります。
2. 普段より少しゆっくり話す
撮影時は緊張によって、普段より話す速度が速くなることがあります。本人には通常の速度に感じられても、初めて商品やサービスの説明を聞く視聴者には情報量が多すぎる場合があります。特に、専門用語、数値、機能名、企業名などの重要な情報を伝える場面では、少し速度を落としましょう。「導入後、受注率が3倍になりました」という重要な数字の前後にわずかな間を入れるだけでも、視聴者は情報を受け取りやすくなります。
撮影した動画を見返す際には、「自分が話しやすい速度」ではなく、「初めて聞く人が理解できる速度か」という視点で確認してください。
3. 一文を短くする
動画は文章と違い、聞き逃した箇所をその場で目で読み返せません。そのため、一文が長いほど内容を理解しにくくなります。「弊社のサービスでは視聴データを取得でき、それを営業担当者に通知することで顧客の興味関心が把握できるため、商談前の準備を効率化することができます」と一息で説明するより、文を分けた方が伝わります。
「動画の視聴データを取得できます。どの内容に興味を持ったのかを営業担当者が確認できます。そのため、顧客の関心に合わせて商談準備を進められます」と区切れば、同じ情報でも理解しやすくなります。
台本を作るときも、目で読んで自然かどうかではなく、実際に声に出して一息で話せる長さかを確認しましょう。
4. 耳で理解しやすい言葉を使う
動画では、文章以上に言葉選びが重要です。漢字で見れば理解できる言葉でも、音だけで聞くと意味を取りにくい場合があります。また、社内用語や業界特有の略語は、初めてサービスを知る人には伝わらない可能性があります。
ビデオセリングを支援する株式会社LOOVにも、「専門的な商材ほど、最初は何の話なのかが相手に伝わらない」という相談が寄せられます。
社内用語や業界の略語は避け、初めて聞く人でも理解できる言葉に置き換えることが欠かせません。たとえば、「リードクオリフィケーションを実施します」と話すより、「見込み顧客の中から、商談につながる可能性が高い顧客を見極めます」と言い換えた方が、対象となる視聴者は広がります。
専門用語を使う必要がある場合は、最初に短い説明を添えてください。「顧客が知っているはず」ではなく、「初めて聞いても分かるか」を基準に言葉を選びましょう。
5. 適切に間を取る
分かりやすく話そうとして、言葉を途切れさせずに話し続ける必要はありません。適度な間は、次の話題へ切り替わったことや、その言葉が重要であることを伝える役割があります。「ここで一番重要なのは……顧客ごとに伝える内容を変えることです」のように、結論の直前で短く間を取れば、聞き手は自然と次の言葉に注意を向けます。
また、間を恐れずに話すことで、話し手自身も呼吸を整えられます。撮影中に次の言葉を考えるために一瞬止まっても、それだけで動画が失敗になるわけではありません。
6. カメラレンズを見る
ビデオセリングでは、相手とのアイコンタクトに近い役割を果たすのがカメラ目線です。自分が映っている画面を見ながら話すと、視聴者からは目線が少し外れて見えることがあります。
レンズを見ることに慣れていない場合は、カメラレンズの近くに小さな付箋を貼り、それを顧客の目だと考えて話す方法も有効です。視線を置く場所を明確にすると、カメラを意識しすぎずに話しやすくなります。
スライドやメモを見る場面があっても問題ありません。ただし、動画の大半で下を向いている状態にならないよう、重要なメッセージを伝える場面ではカメラレンズへ視線を戻しましょう。
7. 表情とジェスチャーを意識する
画面越しでは、対面より表情や身振りが伝わりにくくなることがあります。そのため、普段の商談よりも少しだけ表情を意識すると、話している内容と感情が一致しやすくなります。楽しい話題でも無表情のまま話す、重要なポイントでも同じ表情と声で進める、といった状態では、視聴者がメッセージの重要度を捉えにくくなります。
一方で、常に大きな笑顔を作ったり、過剰にジェスチャーを入れたりする必要はありません。顧客と対面で話すときの自然な表情を基本にし、強調したいポイントで少し表情や手の動きを加える程度で十分です。
8. 「えー」「あの」などのフィラーを減らす
「えー」「あの」「その」といったフィラーは、多少含まれていても問題ありません。しかし、数秒ごとに繰り返されると、内容よりも口癖が気になり、視聴者の集中を妨げることがあります。
フィラーをゼロにしようとすると、かえって不自然に話すこともあります。まずは録画した自分の動画を見て、どの場面でフィラーが増えているか確認しましょう。次に何を話すか考えているときに多いのであれば、「えー」でつなぐ代わりに一度黙って間を取るだけでも改善します。
台本を丸暗記するより、話の流れを整理しておくことも有効です。次の話題が分かっていれば、言葉を探す時間が減り、フィラーも自然と少なくなります。
9. 台本を丸読みしない
台本は、話す内容を整理するためには役立ちます。しかし、文章を一字一句読み上げようとすると、視線が下がり、声の抑揚がなくなりやすくなります。おすすめなのは、全文原稿とは別に「冒頭の一言」「顧客課題」「伝える価値」「事例」「CTA」といった要点だけを記したメモを用意することです。話す順番だけ決めて、文章自体はその場で自分の言葉にします。
撮影前には一度声に出し、箇条書きのメモを見れば自然に説明できる状態を目指しましょう。暗記できるまで繰り返す必要はありません。普段の商談と同じ言葉で説明できる程度まで内容を理解しておくことが重要です。
10. 最後まで自信を持って話す
撮影の途中で少し言い間違えただけで、「失敗した」と判断して止めてしまう人もいます。しかし、小さな言い直しや言葉の詰まりがあっても、意味が伝わるのであれば、そのまま最後まで話して問題ありません。
何度も撮り直すほど「次は失敗できない」という意識が強くなり、かえって表情や声が硬くなることもあります。言い間違えたときは自然に言い直し、顧客への説明を続ける意識を持ちましょう。
視聴者が見ているのは、話し手が一度も噛まないかどうかではありません。「自分たちの課題を理解してくれているか」「信頼して相談できそうか」「必要な情報が分かるか」といった点です。撮影そのものより、相手に説明することへ意識を向けてください。
ビデオセリングでやってしまう5つの失敗
ビデオセリングの成果を下げる原因は、話し方そのものだけではありません。内容の順番や情報量、動画の長さによっても、視聴者が受け取る印象は大きく変わります。ここでは、実際の営業動画で起こりやすい5つの失敗を紹介します。
1. 顧客の課題ではなく、会社・商品の説明から始めてしまう
録画ボタンを押すと、「まず当社について説明します」と会社紹介から話したくなることがあります。会社概要、設立年、事業内容、サービス一覧と進み、数分たってようやく顧客の課題に触れる構成です。
しかし、視聴者が最初に知りたいのは、「この動画を見ることで、自分にどんなメリットがあるのか」です。会社情報が重要であっても、視聴者との接点が見えない状態で説明が続けば、続きを見る理由を失ってしまいます。
まず相手の課題を提示し、その課題を解決できる理由として自社やサービスを紹介しましょう。会社紹介を「主役」にするのではなく、顧客課題を解決する根拠として位置付けることで、説明の順番が変わります。
2. 一つの動画に情報を詰め込みすぎる
せっかく動画を送るのだからと、サービスのすべてを説明したくなることがあります。機能、料金、事例、導入方法、サポート体制を一本にまとめた結果、動画が長くなり、どこが重要なのか分からなくなるケースです。
情報量が多いことと、情報が伝わることは同じではありません。特にビデオセリングでは、視聴者の役職や検討段階によって必要な情報が異なります。
現場担当者には実際の操作や業務改善効果、管理職には導入効果や組織への影響、比較検討中の顧客には競合との違いや導入事例といったように、テーマを分けましょう。長い一本の動画を作るより、目的ごとの短い動画を用意した方が、必要な情報を選んでもらいやすくなります。
3. 原稿を下を向いて読み続け、目線が外れる
一字一句間違えないために詳細な原稿を用意すると、撮影中ずっと原稿を見ることになりがちです。声は正確でも、視聴者から見ると目線が合わず、「自分に話しかけられている」という感覚が弱くなります。
特に冒頭の呼びかけ、顧客課題、重要な結論、最後のCTAは、できる限りカメラを見て伝えましょう。細かな数値や正式名称など、正確性が必要な箇所だけメモを確認する方法であれば、自然さと情報の正確さを両立できます。
4. 抑揚のない一本調子で、要点が伝わらない
台本を正確に読むことに集中すると、最初から最後まで同じ速度、同じ声量、同じ表情になりやすくなります。すると、どこが重要なポイントなのか視聴者が判断しにくくなります。
「ここが最も重要です」「特に注目していただきたいのは」と言葉で強調するだけでなく、少し速度を落とす、間を置く、声のトーンを変えるといった変化を加えましょう。
商品の機能一覧は淡々と説明し、顧客にとって大きなメリットになる部分では少しゆっくり話すなど、内容の重要度と話し方を合わせることで、要点が伝わりやすくなります。
5. 動画が長すぎて、結局何を言いたいのかぼやける
撮影中に説明を付け足していくうちに、想定より動画が長くなることがあります。「この機能も説明しておこう」「この事例も必要かもしれない」と情報を追加し続けるうちに、本来のメッセージが埋もれてしまう状態です。
最初は伝えたいメッセージを一つに絞った2〜3分程度の短尺動画から始めることを推奨します。長い説明が必要なら、無理に削るのではなく動画を分割する方法があります。「サービス概要」「導入事例」「料金」「よくある質問」と分ければ、視聴者は必要な情報を必要なタイミングで確認できます。
ビデオセリングの利用シーン
ビデオセリングは、商談の代わりに商品説明をするためだけのものではありません。商談前の情報提供、商談後のフォロー、休眠顧客への再接触、社内の意思決定支援など、営業プロセスのさまざまな場面で活用できます。
株式会社soraプロジェクトでは、プレゼンVideoを営業プロセスへ組み込み、初回商談からセカンド商談への転換率がほぼ100%となり、受注率も導入前の約3倍に改善しました。動画だけの効果ではなく、営業プロセスの見直しや提案精度の改善も含めた取り組みの成果ですが、「何をどう伝えるか」「情報提供のタイミング」を設計し直すことが営業成果につながった事例といえます。
詳しい活用内容は、「受注率が3倍に!初回商談後の“AIプレゼン Videoのひと押し”で、営業が変わる ——soraプロジェクトの実践ノウハウとは」もご覧ください。
また、営業プロセス全体での動画活用方法については、「営業活動で動画を活用する5つの方法|営業プロセス別の活用法と事例を解説」で詳しく解説しています。
商談前に送る
商談前の動画では、サービスの基礎情報や代表的な課題、導入メリットなどを事前に伝えます。顧客が基本情報を理解した状態で商談へ参加できれば、当日は会社紹介や機能説明に時間を使うのではなく、個別の課題を深掘りすることに時間を使えます。
この段階の動画では、すべてを説明する必要はありません。「なぜこの商談が自社に関係するのか」を理解してもらうことを優先し、より詳しい情報は商談の中で補います。
商談前に動画を送って視聴状況や関心を把握できれば、営業担当者側も顧客に合わせた準備がしやすくなります。TALKsmithなどの専用ツールでは、視聴したコンテンツや選択した回答などから顧客の興味・関心を把握し、商談準備に活用できます。
商談後に送る
商談後は、顧客が社内で情報を整理し、他の選択肢と比較検討するタイミングです。商談で説明した重要なポイントや、顧客から質問された内容を動画で補足すると、検討を継続しやすくなります。
「本日の商談でご質問いただいた運用体制について、2分で補足します」と個別の課題に沿って送れば、一般的なサービス紹介動画よりも視聴する理由が明確になります。
さらに、商談参加者が上司や別部署へ説明するときにも動画を利用できます。営業担当者がその場にいなくても、提案の意図やポイントを同じ内容で届けられるため、伝言による情報の抜けや解釈のズレを減らしやすくなります。
休眠顧客に再接触する
過去に商談したものの、タイミングや予算などの理由で検討が止まっている顧客への再接触にも動画を活用できます。単に「その後いかがでしょうか」と連絡するのではなく、「前回ご相談いただいた○○の課題について、新しい事例が出ましたので2分でご紹介します」と動画を添えれば、連絡する理由が生まれます。
ここでも会社やサービス全体を説明し直す必要はありません。過去の商談で把握した課題に関連する変更点、事例、新機能など、一つのテーマに絞ることで、顧客にとって有益なフォローになります。
決裁者向けに要点を伝える
商談担当者と決裁者が異なるBtoB営業では、担当者が社内で提案内容を説明する「上申」が必要になります。このとき、営業担当者が伝えた内容がそのまま決裁者へ届くとは限りません。
そこで、決裁者が判断するために必要な情報を短い動画にまとめます。詳細な操作方法より、導入する背景、期待できる効果、費用、導入リスク、類似企業の実績など、意思決定に必要な要点を優先します。
「担当者向けの20分のサービス説明動画」をそのまま共有するのではなく、「経営・管理職が判断するための3つのポイント」のように再構成することで、社内共有しやすいコンテンツになります。
撮影前に確認したいチェックリスト
動画の内容と話し方を整えても、撮影環境に問題があるとメッセージが伝わりにくくなります。特に音声が聞き取りづらい状態は、内容そのものの理解を妨げます。撮影ボタンを押す前に、次の項目を確認しましょう。
- この動画を誰に見てもらうのか決まっている
- 動画で伝えるメッセージを一つに絞っている
- 冒頭で視聴者の課題や視聴するメリットを伝えられる
- 最後に取ってほしい行動(CTA)が一つに決まっている
- 全文台本ではなく、要点を確認できるメモを用意している
- 一度声に出して話し、長すぎる文章がないか確認している
- マイクの音量や周囲のノイズを確認している
- カメラが極端に低い、または高い位置になっていない
- 顔が暗くならないよう正面から光が当たっている
- 背景に視聴の妨げとなるものが映り込んでいない
- 水分補給を済ませ、深呼吸や軽いストレッチで体をほぐしている
- 一度の撮影で完璧に仕上げようと考えすぎていない
緊張しやすい場合は、撮影直前に深呼吸をして肩を回すなど、簡単に体を動かす方法も有効です。撮影中に少し言葉が詰まっても、そのまま話を続けられる程度の余裕を持って始めましょう。
話し方を改善する
ビデオセリングの話し方は、一度動画を撮影して終わりではありません。実際の動画を確認し、顧客の反応や視聴データをもとに改善を重ねることで、自社に適した「伝わる話し方」が見えてきます。
録画を見返す
最初の改善方法は、自分の動画を視聴者の立場で見返すことです。このとき、見た目や言い間違いだけを確認するのではなく、「冒頭で何の動画か分かるか」「一文が長すぎないか」「重要な部分が聞き取れるか」「最後に何をすればよいか分かるか」といった点を確認します。
自分の話し方を見ると、細かな癖ばかりが気になることがあります。しかし、営業動画の目的は、自分を完璧に見せることではありません。視聴者が内容を理解し、判断できる状態になっているかを優先して確認しましょう。
第三者からフィードバックを受ける
自分では分かりやすいと思っている説明でも、商品やサービスを初めて知る人には理解しにくいことがあります。そのため、可能であれば第三者にも動画を見てもらいましょう。社内で確認する場合も、商品知識の豊富な営業担当者だけではなく、別部署や入社間もないメンバーなど、視聴者に近い知識量の人から意見をもらうと新しい発見があります。
さらに有効なのが、実際の顧客からフィードバックを得ることです。「分かりづらかった内容はなかったか」「もう少し知りたかった部分はあったか」と顧客へ直接確認し、その声をもとに動画を改善することを強く推奨します。
「話し方はどうでしたか」と漠然と聞くより、「サービスの違いは理解できましたか」「料金の説明で分かりにくいところはありませんでしたか」と具体的に質問すると、改善につながる回答を得やすくなります。
視聴データから離脱箇所を確認する
顧客からの感想だけでなく、実際の視聴行動も改善材料になります。
動画の途中で離脱が多い場合は、その直前の話し方や内容を見直しましょう。説明が長くなっていないか、一文に情報を詰め込みすぎていないか、専門用語が続いていないか、重要なポイントが分かりにくくなっていないかを確認します。動画の前半で離脱が多ければ、冒頭の話が長すぎる、視聴者の課題を十分に示せていないといった可能性があります。
TALKsmithなどの専用ツールでは、動画の視聴データを確認できるため、どの箇所まで視聴されたかを手がかりに、話す内容や伝え方を改善できます。特定の説明に入った直後から離脱が増えている場合は、その部分を短くする、結論を先に伝える、より分かりやすい言葉へ置き換えるなど、具体的な改善につなげられます。
視聴データを営業アプローチに活用する方法については、「商談前のアプローチが受注率を左右する!アポの質を劇的に高める『視聴データ』活用のススメ」で詳しく解説しています。
冒頭・長さ・CTAを変えて検証する
改善するときに、動画全体を一度に作り直す必要はありません。どこに問題があるのか仮説を立て、一つずつ変更して反応を比較します。
冒頭の離脱が多ければ、顧客課題から始めるなど構成を見直します。最後まで視聴されているのに期待するアクションにつながらないのであれば、CTAが曖昧ではないか確認します。途中離脱が多い場合は、説明内容を削る、またはテーマごとに動画を分ける方法を検討します。
このように、「話し方が悪かった」と一括りにするのではなく、冒頭、内容、話す速度、動画の長さ、CTAなどに分解して改善することが重要です。
カメラで話すことが苦手な場合の選択肢
話す内容や台本を整えても、「どうしてもカメラを向けられると緊張する」「営業担当者全員が動画出演するのは難しい」「そもそも顔出ししたくない」という場合もあります。
そのようなときは、人がカメラの前で一から話すことだけを前提にする必要はありません。画面共有をしながら資料やサービス画面を説明する方法のほか、AI音声やアバターを活用し、用意したシナリオから動画を作る方法もあります。「カメラ前でうまく話せるか」をビデオセリング導入の条件にしないことです。
プレゼンVideoを作成できるTALKsmithでは、AI音声やアバターを活用することで、動画出演に慣れていない担当者や、普段顧客と接する機会が少ないメンバーでもビデオセリングに取り組めます。
重要なのは、顔を出しているかどうかではなく、顧客が必要とする情報を分かりやすく届けられているかです。営業担当者本人の信頼感を伝えたいなど、人が話す方が適している場面では本人が出演の顔出し動画、標準的なサービス説明を多くの顧客へ届けたい場面ではAIを活用するなど、目的に応じて方法を使い分けましょう。
TALKsmithについて詳しく知りたい方は、以下のサービス資料をご覧ください。
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まとめ
ビデオセリングで成果につながる話し方を実現するには、「流暢に話すこと」だけを目標にしないことが重要です。まず、誰に向けた動画なのかを明確にし、相手の課題から話を始めます。結論を先に伝え、機能ではなくベネフィットを説明し、数字や事例で根拠を示したうえで、最後に取ってほしい行動を一つだけ伝えます。
実際にカメラの前で話す際は、顧客が目の前にいると考え、普段より少しゆっくり、短い文章で説明します。専門用語を分かりやすい言葉に置き換え、適切な間、視線、表情を意識することで、動画でも自然なコミュニケーションに近づけられます。
カメラの前で緊張するのは珍しいことではありません。言い間違いのない完璧な動画を作ることより、顧客が必要な情報を理解し、次の行動を判断できる動画を作ることを優先してください。
さらに、動画を公開・送付した後は、顧客からのフィードバックや視聴データを確認します。どこで離脱したのか、何に興味を持ったのか、CTAにつながったのかを見ながら改善を続けることで、自社にとって成果の出るビデオセリングの型をつくっていけます。
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ビデオセリングや動画での話し方に関してよくある質問
台本は暗記した方がよいですか?
台本を一字一句暗記する必要はありません。暗記した文章を思い出しながら話すと、言葉を間違えないことに意識が向き、表情や声が硬くなる場合があります。
「誰に」「何を」「なぜ伝えるのか」「根拠は何か」「最後に何をしてほしいか」という話の流れを理解し、箇条書きのメモだけで説明できる状態を目指しましょう。正式名称や数値など、正確に伝える必要がある情報だけ台本やメモで確認する方法がおすすめです。
動画の長さは何分が適切ですか?
動画の目的や内容によって異なるため、一律の正解はありません。ただし、ビデオセリングを始める段階では、メッセージを一つに絞った2〜3分程度の短尺動画が作りやすく、視聴者にも要点を伝えやすくなります。まずは短尺の動画から始めることを推奨します。
説明に10分必要なのであれば、無理に2〜3分に詰め込むのではなく、「概要」「事例」「料金」など複数の動画に分ける方法も検討してください。
スマートフォンでも撮影できますか?
スマートフォンでもビデオセリング用の動画は撮影できます。高価な撮影機材をそろえることより、声が明瞭に聞こえること、顔が暗くならないこと、カメラが大きく揺れないことの方が重要です。
静かな場所で撮影し、スマートフォンを固定して、できるだけ顔の高さに近い位置へカメラを設置しましょう。撮影前には数秒テスト録画し、イヤホンなどを使って音声を確認してから本番を始めると安心です。
話し方の効果を確認する指標はありますか?
一つの指標だけで「話し方が良かった」と判断することは難しいため、視聴行動と営業成果を組み合わせて確認します。代表的には、動画の再生状況、視聴完了率、離脱した位置、CTAのクリックや回答、商談化率、次回商談への転換率などを確認します。
冒頭で離脱が多ければ、話し始めや対象者の設定を見直します。特定の説明で離脱する場合は、その部分が長すぎる、または分かりにくい可能性があります。視聴完了率が高くてもCTAにつながらなければ、最後の行動喚起を改善する余地があります。
数値を単独で見るのではなく、「どの話し方・構成を変えたときに視聴行動や営業成果がどう変化したか」を継続して比較することが、ビデオセリングの改善につながります。


