YouTubeのインタラクティブ動画とは?|作り方・機能・専用ツールとの違いを解説
|2024-09-14公開|2026-08-21更新
YouTubeで動画を活用するなかで、「視聴者に関連動画を選んでもらいたい」「動画からWebサイトや商品ページへ誘導したい」と考えたことはないでしょうか。
YouTubeでは、専用機能を活用することで、視聴者のクリックや選択を促すインタラクティブな動画体験を作ることができます。ただし、YouTubeで利用できるのは、基本的に「別のコンテンツやページへ誘導する」ための機能です。1本の動画内で視聴者の選択に応じて内容を切り替えたり、複数の分岐点を設定する場合には、専用のインタラクティブ動画ツールが必要になります。
この記事では、YouTubeで利用できるインタラクティブ機能から、YouTube Studioでの設定方法、複数動画を使った疑似分岐の作り方、具体的な活用シーンまで解説します。YouTubeでできることを把握し、自社の目的に合った動画活用を考える際に役立ててください。
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- この記事の内容
YouTubeでインタラクティブ動画は作れる?
YouTubeでも、視聴者のアクションを促すインタラクティブな動画を作れますが、「YouTubeの機能で作るインタラクティブ動画」と「専用ツールで作るインタラクティブ動画」では、実現できる体験が異なります。まずはYouTubeでどこまで実現できるのかを整理しておきましょう。
YouTubeで作れるのは「簡易的な」インタラクティブ動画
YouTubeの通常動画では、情報カードや終了画面を使って、視聴者を別の動画、再生リスト、チャンネルなどへ誘導できます。また、一定の条件を満たせば外部Webサイトへのリンクも設定できます。
動画広告では、CTAボタンやサイトリンク、リードフォーム、商品フィードなどを利用できるため、「動画を見る」だけで終わらせず、Webサイト訪問や問い合わせ、商品検討といった次のアクションへつなげることができます。そのため、関連コンテンツへの回遊やCTAの提示を目的とする場合は、YouTubeだけでも十分にインタラクティブな導線を設計できます。
本格的なインタラクティブ動画との違い
専用のインタラクティブ動画では、動画内に選択肢やフォームなどを設置し、視聴者の入力・選択に応じてコンテンツそのものを動的に変化させられます。違いを整理すると、次のとおりです。
| 機能 | YouTube通常動画 | YouTube動画広告 | 専用ツール |
|---|---|---|---|
| 関連動画への誘導 | ○ | ○ | ○ |
| 外部サイトへの誘導 | △ 条件あり | ○ | ○ |
| CTAの設置 | △ | ○ | ○ |
| 動画内でのストーリー分岐 | × | × | ○ |
| フォーム入力 | × | ○ 広告機能として一部対応 | ○ |
| クイズ・設問 | × | × | ○ |
| 視聴者の選択に応じた情報の出し分け | × | × | ○ |
| 選択内容などの詳細な行動データ取得 | △ | △ | ○ |
YouTubeは、動画から次のコンテンツへ誘導する用途に適しています。一方、視聴者ごとに説明内容を変えたり、回答を取得したりする視聴体験を設計する場合には、専用ツールを検討する必要があります。
そもそもインタラクティブ動画とは
通常の動画との違い
インタラクティブ動画とは、視聴者が動画を一方的に見るだけでなく、クリックや選択といった操作をしながら視聴できる動画です。
通常動画では、制作者が決めた順番で同じ内容が再生されます。インタラクティブ動画では、視聴者自身の興味や目的に合わせて次に見る情報を選べるため、能動的な視聴体験を作れる点が特徴です。
インタラクティブ動画の仕組みや機能、一般的な活用方法について詳しく知りたい方は、「インタラクティブ動画とは?|受注率3倍の活用事例と作成方法を解説」もあわせてご覧ください。
YouTubeにおける「インタラクティブ」の考え方
YouTubeの場合、動画そのものの再生内容がユーザー操作によって変化するわけではありません。情報カードや終了画面を表示し、「次はこちらの動画を見る」「関連する再生リストへ移動する」「外部ページを見る」といった行動を視聴者に選択してもらうことで、動画視聴にインタラクションを加えます。
そのため、YouTubeでは「動画内で完結する双方向体験」というより、「動画を起点に次のコンテンツへつなぐ導線設計」と考えると理解しやすいでしょう。
YouTubeの通常動画で使えるインタラクティブ機能
YouTubeの通常動画では、主に情報カード、終了画面、チャンネル登録用の動画の透かしを利用できます。
情報カード
情報カードは、動画の再生中に関連情報への導線を表示できる機能です。YouTube公式ヘルプでは、動画、再生リスト、チャンネル、リンクの4種類が案内されています。1本の動画に設定できる情報カードは最大5枚です。
商品紹介動画の途中で詳しい解説動画へ誘導したり、シリーズ動画から次に見るべき再生リストを提示したりする用途に向いています。外部Webサイトへのリンクについては誰でも利用できるわけではなく、YouTubeパートナープログラムへの参加が条件です。また、子ども向けとして設定された動画では情報カードを利用できません。
情報カードを多く設置すれば成果が上がるとは限りません。視聴者が「今、もう少し詳しく知りたい」と感じるタイミングに合わせ、動画内容との関連性が高いリンクを提示することが重要です。
終了画面
終了画面は、動画の最後に別の動画や再生リスト、チャンネル登録などの要素を表示する機能です。YouTubeでは動画の最後の5〜20秒に終了画面を設定できます。標準的な16:9の動画では最大4つの要素を追加でき、終了画面を設定するには動画自体が25秒以上である必要があります。
商品紹介の終了後に活用事例動画を案内したり、入門動画の最後から応用編へつないだりすると、視聴者をチャンネル内の次のコンテンツへ自然に誘導できます。
終了画面を活用する予定がある場合は、動画制作の段階から最後の5〜20秒にテキストや人物が重ならないスペースを確保しておくと、表示される要素が見やすくなります。YouTube公式も、編集時に動画の最後の20秒を利用できるよう配慮することを推奨しています。
チャンネル登録用の透かし
YouTubeでは、チャンネルのブランディング設定から動画の透かしを追加できます。表示タイミングは「動画全体」「指定した開始時間以降」「動画の最後15秒」から設定できます。
PCでは視聴者が透かしからチャンネル登録を行えるため、継続的に動画を発信する企業やメディアでは、情報カード・終了画面とは別のチャンネル登録導線として活用できます。
一方、子ども向けとして設定した動画では動画の透かしは表示されません。また、モバイルでは表示されてもクリックできないなど、利用環境によって動作が異なる点にも注意が必要です。
YouTube動画広告で使えるインタラクティブ機能
YouTube広告では、Google Adsを利用して通常動画よりも幅広いインタラクティブ要素を追加できます。広告の目的が認知だけではなく、Webサイト訪問、問い合わせ、商品購入などにある場合は、これらの機能を組み合わせることで視聴後の行動につなげやすくなります。
CTAボタン・サイトリンク・リードフォームなどのアセット
CTAボタンは、動画広告からWebサイトへの訪問を促すための機能です。「見積もりを依頼」「申し込む」といった行動を促す文言を設定し、広告から次のページへ直接誘導できます。また、動画広告にはサイトリンクやリードフォームなどのアセットを追加できます。サイトリンクでは料金ページや商品ページなど、Webサイト内の特定ページへ直接誘導できます。
リードフォームを利用すれば、広告上から氏名やメールアドレスなどの情報を送信してもらう導線も設計できます。動画視聴から資料請求や問い合わせまでの距離を短くしたいBtoBマーケティングでも活用しやすい機能です。
自動終了画面
Google Adsでは、動画広告の最後に自動終了画面を表示できます。キャンペーン情報をもとに自動生成され、アプリのインストールや商品購入など、キャンペーンの目的に応じたアクションを促します。通常動画でYouTube Studioから設定する終了画面とは別の機能です。
なお、自動終了画面を有効にしている場合、YouTube Studioで作成した終了画面は表示されません。広告運用時には、どちらを利用するかを事前に整理しておきましょう。
Merchant Centerの商品フィード・関連動画
ECや商品販売を目的とする動画広告では、Merchant Centerの商品フィードを追加できます。商品フィードを連携すると、動画広告とともに閲覧可能な商品画像を表示でき、視聴者の商品検討や購入につなげられます。利用にはMerchant Center側での商品フィード設定やGoogle Adsとの連携が必要です。
また、動画広告と関連動画を組み合わせることも可能です。Google Adsではキャンペーンあたり2〜5本の関連動画を追加でき、メインの広告だけでは伝えきれない情報を別動画で補完できます。利用できるキャンペーン条件や表示環境が定められているため、設定時には最新のGoogle Adsヘルプを確認してください。
YouTubeでインタラクティブ動画を作る方法【手順】
ここからは、YouTubeの通常動画に情報カードや終了画面を追加するまでの流れを解説します。
インタラクティブ動画そのものの企画、撮影、シナリオ設計などを含めた制作工程については、「インタラクティブ動画の作り方6ステップ|ツールや事例、活用方法までわかる完全ガイド」で詳しく解説しています。
1. 動画の目的とCTAを決める
最初に決めるべきなのは、「視聴後にどのような行動を取ってもらいたいか」です。認知を目的とする動画と、問い合わせを目的とする動画では、必要な導線が異なります。商品の使い方を解説する動画なら関連する応用動画への誘導、サービス紹介なら導入事例や料金説明など、視聴者が次に必要とする情報を考えます。
CTAが曖昧なままカードや終了画面を増やすと、視聴者がどれを選ぶべきかわからなくなります。1本の動画につき、最も重要なアクションを明確にしておきましょう。
2. インタラクションを表示する場面を設計する
次に、「どのタイミングで次のアクションを提示するか」を決めます。
情報カードは、視聴者が関連情報を必要とする場面に合わせて表示することが重要です。サービスの料金について触れた直後なら料金解説動画、事例を紹介した直後なら導入事例の再生リストといった設計が考えられます。
終了画面を使う場合は、最後の5〜20秒をCTA用に確保します。動画の締めに「次にこちらをご覧ください」と音声で案内し、その位置に終了画面の要素を配置できる映像にしておくと、視覚と音声の両方で次の行動を伝えられます。
3. 動画を制作・アップロードする
設計した内容に合わせて動画を制作し、YouTubeへアップロードします。特に終了画面を利用する場合は、編集段階から表示スペースを確保することが重要です。画面いっぱいに人物や字幕を配置した状態で終了画面を重ねると、視聴者にとって情報が見づらくなります。
カードを表示する箇所についても、「詳細は画面から確認できます」などの音声やテロップを入れておけば、クリックできることに気づいてもらいやすくなります。
4. 情報カード・終了画面を設定する
動画をアップロードしたらYouTube Studioから設定します。情報カードを設定する場合の基本的な操作は次のとおりです。
- YouTube Studioへログインする
- 左側のメニューから「コンテンツ」を選択する
- 設定する動画を選択する
- 「エディタ」を開く
- 「情報カード」を選択する
- 表示する動画・再生リスト・チャンネル・リンクなどを設定する
- 表示開始時間を調整して保存する
終了画面も同様に、YouTube Studioの「コンテンツ」から対象動画を選択し、「エディタ」内の「終了画面」から設定します。動画や再生リスト、チャンネル登録など必要な要素を選び、画面上の位置と表示タイミングを調整して保存します。
5. 公開後のデータを分析する
インタラクティブ要素は、設定して終わりではありません。公開後の視聴データを確認し、導線が機能しているかを検証します。
YouTube Analyticsでは、終了画面のパフォーマンスを確認できます。終了画面要素が十分にクリックされていない場合は、表示する動画を変える、音声でCTAを伝える、動画本編との関連性を高めるといった改善が考えられます。
再生回数だけで評価するのではなく、「動画を見た人が次にどの行動を取ったのか」まで追うことで、インタラクティブ機能をマーケティング施策として改善しやすくなります。動画のKPI設定や離脱ポイントの分析について詳しく知りたい方は、「動画の改善方法がわからない担当者必見!KPI設定の基礎から分析、改善アクションまで徹底解説」も参考にしてください。
YouTubeで分岐動画(疑似分岐)を作る方法
YouTubeには、1本の通常動画の中で再生内容そのものを切り替えるストーリー分岐機能はありません。ただし、複数の動画と終了画面を組み合わせれば、視聴者が選択肢を選びながら進む「疑似分岐」を作ることができます。
複数の動画と終了画面で疑似的に分岐させる
まず、分岐元となる動画と、それぞれの選択肢の先で再生する動画を個別に用意します。たとえば、採用動画なら「営業職について知りたい」「エンジニア職について知りたい」という2つの選択肢を用意し、それぞれ営業職紹介動画とエンジニア職紹介動画へつなげます。設定の流れは次のようになります。
- 分岐元となる動画Aを制作する
- 選択肢1に対応する動画Bを制作する
- 選択肢2に対応する動画Cを制作する
- 3本をYouTubeへアップロードする
- 動画Aの最後に動画B・動画Cへの終了画面を設定する
- 音声やテロップで「知りたい内容を選んでください」と案内する
- 必要に応じて動画B・動画Cの先にも次の分岐を設定する
終了画面は標準的な16:9動画で最大4要素まで設定できるため、複数の動画を選択肢として提示できます。
分岐構造を複雑にしすぎない
疑似分岐は無料で試しやすい一方、動画数が増えるほど管理が複雑になります。2択を3段階用意するだけでも、分岐先の動画は急速に増えていきます。動画を更新する際も、各動画のリンクや終了画面が正しくつながっているか確認しなければなりません。
そのため、最初から多数の分岐を作るより、「業種別」「職種別」「課題別」など重要度の高い1回の分岐から始めるほうが運用しやすくなります。
1本の動画内での分岐とは異なる点に注意する
YouTubeによる疑似分岐では、視聴者が選択するたびに別のYouTube動画へ移動します。そのため、1本の動画プレイヤー内でストーリーが連続的に変化するわけではありません。また、各視聴者がどの選択肢を選び、その後どのルートをたどったのかを個人単位で取得する目的にも適していません。
まずはYouTubeの疑似分岐でコンテンツへの反応を確認し、より複雑な分岐や詳細なデータ活用が必要になった段階で、専用ツールの利用を検討する方法もあります。
YouTubeインタラクティブ動画の活用シーン
YouTubeのカードや終了画面は、マーケティングだけでなく、採用、営業、研修などさまざまな場面で活用できます。重要なのは、単にクリックできる要素を追加することではなく、「動画を見たあとに何をしてもらうか」を業務プロセスと結びつけることです。
商品・サービス紹介・EC
商品紹介動画では、商品の特徴を説明したあとに関連商品や活用方法の動画へ誘導できます。ECを目的とした動画広告ではMerchant Centerの商品フィードも活用できるため、動画を見て興味を持った商品をそのまま比較・検討できる導線を作れます。
一つの商品だけを訴求するのではなく、「初心者向け」「上位モデル」「使い方」といった関連動画へつなぐことで、購入前の情報収集をYouTube上で補完することも可能です。
BtoBマーケティング
BtoB商材は説明する情報量が多く、1本の動画ですべてを伝えようとすると長尺になりがちです。そこで、サービス概要を説明する動画から料金、機能、導入事例などの関連動画へつなぐことで、視聴者が自分の検討状況に合わせて情報を選びやすくなります。
広告ではサイトリンクやリードフォームも利用できるため、サービス理解から資料請求、問い合わせまでの導線設計にも活用できます。特に、SaaSやインサイドセールス支援ツールのように検討時の情報量が多い商材では、動画を1本で完結させず、検討段階ごとにコンテンツを分ける設計が有効です。
採用・会社説明
採用では、会社紹介動画から職種紹介、社員インタビュー、選考説明などへつなぐことで、候補者が知りたい情報を自分のペースで確認できる環境を作れます。株式会社LOOVが人事職470名に実施した調査では、動画やインタラクティブ機能を「カジュアル面談・一次面接の代替」に使いたいと回答した人が47.2%、「会社紹介・選考説明」が37.6%でした。
特に会社説明は、すべての候補者へ共通して伝える情報が多く、一度視聴したあとに見返したいニーズもあります。会社紹介動画から職種別動画へつないだり、終了画面から次の選考に必要なコンテンツへ誘導したりすることで、候補者自身が必要な情報を確認しやすくなります。
採用領域におけるインタラクティブ動画の活用方法については、「インタラクティブ動画を採用で活用する方法」でも詳しく解説しています。また、採用にYouTubeを積極的に活用する「YouTube採用の完全攻略|採用成果を最大化する活用方法から改善まで」も参考にしてください。
営業・商談前コンテンツ
商談前にサービス紹介動画を共有しておけば、基本的な説明を事前に済ませ、商談では顧客固有の課題や具体的な提案に時間を使いやすくなります。
YouTubeを利用する場合は、概要動画から機能紹介や導入事例へつなぐ構成が考えられます。「料金を詳しく知りたい」「実績を確認したい」といった検討段階ごとのニーズを想定して関連動画を準備しておくことで、見込み顧客が自分のペースで情報収集できます。
営業活動における動画活用については、「営業活動で動画を活用する5つの方法|営業プロセス別の活用法と事例を解説」で詳しく解説しています。さらに、商談前の活用については「商談前のアプローチが受注率を左右する!アポの質を劇的に高める「視聴データ」活用のススメ」も参考にしてください。
研修・オンボーディング
社内研修や顧客向けオンボーディングでは、「同じ内容を何人にも説明する」という業務が発生しやすくなります。株式会社LOOVが業種横断で222名に実施した調査では、同じ説明を複数人に繰り返す場面が「ある」と回答した人が79.0%、その説明を手間・非効率と感じている人が82.5%にのぼりました。
研修やオンボーディングのように共通説明を繰り返す業務では、一度作成した動画を再利用できるメリットが大きくなります。基本操作の動画から応用操作へつなぐ、研修動画の最後から次に学ぶべき教材へ誘導するといった設計にすれば、説明する側の工数を抑えながら受講者が自分のペースで学べる環境を整えられます。
商談前のサービス説明など、同じ内容を繰り返し説明する業務にも同様の考え方を応用できます。
YouTubeでインタラクティブ動画を作るメリット
無料で始められる
YouTubeの情報カードや終了画面は、通常のYouTube動画に追加できる機能です。専用の動画配信基盤を新たに構築しなくても、既存のYouTubeチャンネルと動画を利用してインタラクティブな導線を試せます。すでに動画コンテンツを保有している企業であれば、新しい動画を大量に制作しなくても、関連動画同士をつなぐところから始められます。
まず小さく運用し、どのコンテンツへの反応が良いのか確認できる点は、初めてインタラクティブ動画を試す企業にとって大きなメリットです。
YouTubeの集客力を利用できる
YouTubeで公開することで、自社サイトへの埋め込みだけではなく、YouTube内の検索や関連動画などからコンテンツを見つけてもらえる可能性があります。そのうえで、動画を単独で終わらせず、カードや終了画面から次のコンテンツへつなげれば、1本の動画を入口として複数の情報を届けられます。
検索ニーズのあるテーマを入口動画として公開し、より具体的な商品・サービス情報へ段階的につなぐ方法は、YouTubeをオウンドメディアのように活用したい企業にも適しています。
チャンネル内の回遊を促進できる
視聴者が1本の動画を見終えたあとに何も案内がなければ、そのまま離脱する可能性があります。終了画面で次に見るべき動画や再生リストを提示すれば、視聴者が迷わず次のコンテンツへ進めます。「基礎編→実践編」「サービス概要→事例紹介」のように視聴順序を設計すると、複数本を通じて段階的に理解を深めてもらうことができます。
動画単体の再生回数だけではなく、チャンネル全体で視聴体験を設計できることがYouTube活用の強みです。
YouTubeで作る場合のデメリット・注意点
分岐・フォーム・設問を直接設置できない
YouTubeのカードや終了画面は、基本的に別の動画やページへ視聴者を誘導する仕組みです。通常動画の中に選択肢を設置し、その回答に応じて1本の動画内で内容を切り替えたり、クイズや入力フォームから回答を取得したりする機能ではありません。
この違いを把握せず、「インタラクティブ動画ならすべて自動化できる」と考えてしまうと、目的と手段がずれてしまいます。
株式会社LOOVが企業の動画活用を支援するなかでも、説明業務を一度にすべて動画・自動化へ置き換える方法は失敗につながりやすいため、まずは一部の説明から始めることを推奨しています。基本説明は動画に任せつつ、個別提案やクロージングなど人だからこそ価値を出せる部分は担当者が行う、という切り分けです。
実際の相談でも、「成功事例だけでなく、うまくいかなかったケースも知りたい」という声は少なくありません。YouTubeで十分な範囲と、別の仕組みが必要になる範囲を最初に整理することが、結果的に無駄な制作や運用を避けることにつながります。
外部リンクには条件がある
情報カードや終了画面から外部Webサイトへ自由にリンクできるわけではありません。YouTube公式ヘルプでは、外部Webサイトへのリンクを設定できるのはYouTubeパートナープログラム参加者と案内されています。リンク先もYouTubeのポリシーに準拠している必要があります。
自社サイトへの送客を主目的にする場合は、自社チャンネルが利用条件を満たしているか事前に確認しましょう。
視聴者がほかの動画へ移動する可能性がある
YouTubeは多くの動画が公開されているプラットフォームです。自社動画を見終えたあとには、YouTubeの推薦によって他チャンネルの動画も表示されます。そのため、視聴者が必ず自社の想定した導線を進むとは限りません。
視聴後の行動を明確にしたい場合は、終了画面で次の動画をわかりやすく提示し、動画本編でも「続きはこちら」と明示するなど、視聴者が迷わない設計が必要です。
子ども向け動画では一部機能を利用できない
「子ども向け」として設定された動画では、情報カードや終了画面、動画の透かしを利用できません。教育関連など、子どもを対象とする可能性があるコンテンツでは特に注意が必要です。企画段階で対象視聴者とYouTube上の設定を確認し、利用できない機能を前提とした導線を作らないようにしましょう。
視聴者単位の詳細な行動データを取得しにくい
YouTube Analyticsでは視聴回数、視聴時間、視聴者維持率、終了画面のパフォーマンスなどを分析できます。
一方、「Aさんがどの選択肢を選び、どの情報に関心を持ったのか」といった視聴者単位の行動を、通常のYouTube動画だけで営業・マーケティングに利用することには限界があります。動画をリードナーチャリングや営業フォローへ直接活用する場合は、集計指標だけで十分なのか、個人単位の反応データまで必要なのかを事前に整理しておくことが重要です。
YouTubeと専用ツールはどちらを選ぶべき?
どちらが優れているかではなく、動画で達成したい目的によって適切な方法は変わります。
YouTubeが向いているケース
YouTubeが向いているのは、すでにYouTubeチャンネルを運用しており、関連動画への回遊やチャンネル登録を増やしたい場合です。商品紹介から使い方動画へつなぐ、会社紹介から社員インタビューへ誘導するなど、複数の動画を組み合わせて情報を届ける目的であれば、まずYouTubeの機能から始めやすいでしょう。
インタラクティブ動画を初めて試す段階でも、既存コンテンツを使って小規模に検証できます。
専用ツールが向いているケース
視聴者によって説明内容を変えたい、動画内で質問への回答を取得したい、視聴者ごとの反応を次の営業・マーケティング施策に活用したい場合は、専用ツールが選択肢になります。ツール選びは、比較表付きで紹介している「【2026】インタラクティブ動画ツール6選|導入前に知りたい比較ポイントを解説」を参考にしてください。
営業代行・インサイドセールス支援を手がける株式会社soraプロジェクトでは、インタラクティブ動画ツール「TALKsmith」を活用した結果、初回商談から次回商談への転換率がほぼ100%、受注率は導入前と比べて約3倍に高まりました。インタラクティブ動画を営業プロセスの一部として、顧客の理解度や関心に合わせて提供情報を変え、その反応を次のコミュニケーションへ活用した好例です。
株式会社soraプロジェクトの詳しい事例については、「受注率が3倍に!初回商談後の“AIプレゼン Videoのひと押し”で、営業が変わる ——soraプロジェクトの実践ノウハウとは」をご覧ください。
併用が向いているケース
YouTubeと専用ツールは、どちらか一方に統一する必要はありません。YouTubeを認知・集客の入口として活用し、より具体的な検討段階に入ったユーザーを自社サイトや専用のインタラクティブ動画へつなぐ方法もあります。
YouTubeでは広く情報を届け、資料請求後や商談前、採用候補者への説明など「相手が特定できる場面」では専用ツールを使う、といった役割分担をすると、それぞれの強みを活かしやすくなります。
成果を高める制作・運用のポイント
動画ごとにCTAを1つに絞る
クリックできる選択肢を増やしすぎると、視聴者はどれを選ぶべきか迷います。商品紹介動画であれば「活用事例を見る」、採用動画であれば「職種紹介を見る」のように、その動画で最も重要なアクションを1つ決めておきましょう。複数の導線が必要な場合でも、メインCTAを明確にしたうえで補助的な導線を追加するほうが、視聴者に意図が伝わりやすくなります。
インタラクションを入れすぎない
情報カードは最大5枚まで追加できますが、最大数まで使う必要はありません。数十秒おきにカードが表示されると、動画そのものへの集中を妨げる可能性があります。視聴者の疑問が生まれる場面や、より詳しい情報が必要になる場面に限定して表示しましょう。「クリックできるから追加する」のではなく、「このタイミングで別の情報を提示する必要があるか」を判断基準にすることが重要です。
表示前に音声と画面でクリックを促す
カードや終了画面を表示するだけでは、視聴者がその存在に気づかない場合があります。「詳しい事例は画面のリンクから確認できます」「次に見たい内容を選んでください」など、ナレーションとテロップで操作を促すと意図を伝えやすくなります。疑似分岐動画では特に、選択肢の意味と次に何が起こるかを明確に説明することが重要です。
終了画面用の余白を動画制作時に確保する
終了画面は、完成した動画の上に後から要素を重ねて表示します。そのため、動画の最後に人物、重要な字幕、商品画像などを画面いっぱいに配置すると、終了画面と重なって見づらくなります。
YouTube公式も、編集段階で最後の20秒を終了画面に使えるよう配慮することを推奨しています。動画制作時から終了画面の位置を想定し、背景をシンプルにしたCTA用カットを用意しておくとスムーズです。
UTMパラメータとアナリティクスで効果を測定する
外部サイトへのリンクを利用できる場合は、リンクURLにUTMパラメータを付与すると、Google AnalyticsなどでYouTubeからの流入を識別しやすくなります。動画単位やCTA単位でパラメータを分けておけば、「どの動画から問い合わせにつながったのか」「どの導線から商品ページへ移動したのか」を比較できます。YouTube Analyticsの視聴維持率や終了画面データと、Webサイト側のアクセス・コンバージョンデータを組み合わせることで、「見られた動画」ではなく「成果につながった動画」を判断しやすくなります。
まとめ
YouTubeでは、情報カード、終了画面、動画の透かしなどを使って、視聴者に次のアクションを促すことができます。動画広告では、CTAボタン、サイトリンク、リードフォーム、商品フィード、関連動画など、さらに幅広い機能を活用できます。
まずは「誰に、何を伝え、動画を見たあとに何をしてほしいのか」を決め、その目的に必要な機能だけを使うことが重要です。YouTubeですでに動画を運用している場合は、カードや終了画面から始めるだけでも、動画同士の回遊や次のコンテンツへの誘導を改善できます。
一方、動画内で視聴者の回答を受け取り、それぞれに適した説明を行うことや、視聴者ごとの反応データを営業・マーケティングへ活用することが目的なら、専用ツールを含めて検討するとよいでしょう。YouTubeと専用ツールのどちらかに決めるのではなく、YouTubeを集客、専用ツールを個別説明や商談・採用・オンボーディングに使うなど、目的に応じた役割分担も有効です。
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YouTubeのインタラクティブ動画に関するよくある質問
YouTubeで動画内アンケートは設置できる?
通常のYouTube動画の情報カードとして、動画内アンケートを設置することはできません。現在YouTube公式が案内している情報カードは、動画、再生リスト、チャンネル、リンクです。以前の仕様やYouTube上の別機能と混同しないよう注意しましょう。動画そのものの中で回答を取得したい場合は、専用のインタラクティブ動画ツールなど別の仕組みが必要です。
YouTubeでストーリー分岐は作れる?
複数のYouTube動画と終了画面を組み合わせれば、疑似的なストーリー分岐を作ることができます。分岐元の動画の最後に複数の動画を表示し、視聴者自身に次に見るコンテンツを選んでもらう方法です。ただし、選択によって同じ動画の再生内容が変化するわけではなく、選択後は別の動画へ移動します。
外部サイトへのリンクは誰でも設定できる?
いいえ。通常動画の情報カードや終了画面から外部Webサイトへリンクする場合、YouTubeパートナープログラムへの参加が条件となります。自社サイトへの誘導を前提に企画する場合は、事前にチャンネルの利用条件を確認してください。
スマートフォンでもカードや終了画面は表示される?
情報カードはモバイル端末にも対応しており、YouTube公式ではバージョン10.09以降のYouTubeアプリを搭載したモバイル端末で利用できると案内されています。終了画面については、YouTubeアプリなどでは利用できますが、モバイルWebを含む一部の視聴環境では表示されません。また、子ども向けとして設定された動画では終了画面自体を利用できません。
Instagramでもインタラクティブ動画を作れる?
Instagramでも、広告などを通じてインタラクティブな動画表現を利用できます。現在、動画広告に2択のアンケートを追加する「Poll Ads」が提供されており、Instagram Storiesなどで表示できます。回答後には投票結果が表示され、広告主側ではリーチや回答数などの集計データを確認できます。


